[本文]
-
- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 競争・市場庁(CMA)
- 元記事公開日:
- 2024/04/11
- 抄訳記事公開日:
- 2024/05/29
-
競争・市場庁が「AI基盤モデル」市場で増大する懸念を概説
CMA outlines growing concerns in markets for AI Foundation Models
- 本文:
-
(2024年4月11日付、競争・市場庁(CMA)の標記発表の概要は以下のとおり)
CMAは、AI基盤モデル(FM)における効果的な競争に対する主要なリスク3項目を概説し、市場でのさらなる行動計画を打ち出した。
CMAは、一部の企業が、既存の市場支配力を守るため、あるいは新たな分野へと支配力を拡大するために、自社の利益に合わせてこれらの市場を形成する能力と動機の両方を有していう可能性があることを懸念している。
これは、FM関連市場における公正、オープン、効果的な競争に重大な影響を及ぼし、最終的には選択肢の減少、品質の低下、価格の上昇などを通じて、企業や消費者に損害を与えるだけでなく、AIがもたらす前例のないイノベーションの可能性やより広範な経済的利益の流れを阻害する可能性がある。
このほど公開されたCMAの最新文書では、Google、Apple、Microsoft、Meta、Amazon、Nvidia(AIアクセラレータ・チップの大手サプライヤー)という、同じ企業が関与する90以上のパートナーシップと戦略的投資の「相互接続されたウェブ」を特定している。CMAは、これらの大企業がもたらす膨大なリソース、専門知識、イノベーション能力、FM市場におけるこれら大企業の役割、さらにはこの種のパートナーシップや取り決めが技術エコシステムにおける競争促進の役割を果たす可能性があるという事実を認識している。
しかしながらCMAは、強力なパートナーシップや統合企業がライバル企業の競争能力を低下させるべきではなく、強力な企業を競争から隔離するために利用されるべきではないと警告している。市場における多様性と選択肢を維持することは、一握りの大手企業への過度の依存のリスクを防ぐためにも重要である。特に金融、医療、教育、防衛、輸送、小売など経済のあらゆるセクターにわたってFMが利用される可能性を考慮すると重要である。
企業と消費者にとってのAIのメリットは、(FMを活用して、デジタル市場における既存の権力の地位をさらに確立し、拡大することができる世界ではなく)最も強力な技術企業が、潜在的な挑戦者との間で、また企業間の両方で、公正でオープンかつ効果的な競争にさらされる世界において実現される可能性がはるかに高くなる。
最新の発表文書では、公正、オープンで、効果的な競争に対する次の3項目の重要な相互関連リスクが強調されている。
・FM開発のための重要なインプットを管理する企業は、競争から自社を守るためにアクセスを制限する可能性がある。
・有力な既存企業が、消費者市場や企業向け市場における自らの立場を悪用して、FM サービスの選択を歪め、展開における競争を制限する可能性がある。
・主要企業が関与するパートナーシップは、バリューチェーンを通じて市場支配力の既存の地位を悪化させる可能性がある。参考:「基盤モデル」の定義、「広範なデータで大規模にトレーニングされ、幅広い下流タスクに適応(微調整など)可能なモデル」。
[DW編集局]