（2024年4月5日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり）

2024年4月4および5日、米・EU貿易技術評議会（TTC：Trade and Technology Council）の第6回閣僚会合が開催された。

ロシアのウクライナに対する侵略や、中東における暴力の激化など地政学上の重大な問題に加え、広範な非市場的政策や慣行を通じて、世界経済への圧力が高まっている。デジタルトランスフォーメーションは、前例のない成長と革新の機会を生み出すが、同時に多くのリスクと課題を引き起こしており、新技術に対応するルール作りのために強固な協力を継続する必要がある。米国とEUは、このようなグローバルな課題に対処するために、TTCの重要性を再確認しつつ、共有する目的を推進するために、TTCを改善し適応させていく。

2021年9月29日の初会合以来、TTCはすべてのワークストリームにおいて実質的な進展と成果を実現してきた。これらの成果により、米国とEUは次のようなことを実現してきている。

▽新たな貿易・投資の機会を創出する方法を模索し、特にグリーン移行に貢献する。
▽6G、量子、バイオテクノロジーなどの新興技術における共通のリーダーシップを推進し、民主主義国家がこれらの発展の先駆者であり続けるようにする。
▽半導体やクリーンエネルギーを含む主要分野における産業政策アプローチの透明性と協力を促進する一方で、サプライチェーンの強靭性を共同で強化する。
▽グローバル・サプライチェーンから強制労働を排除するためのベスト・プラクティスに関する情報を交換する。
▽安全、安心、信頼できるAIをグローバルに実現するという共通のビジョンを達成するため、共有する民主的価値観に基づくAIガバナンス・フレームワーク間の相互運用性を促進・強化する。
▽ICTインフラのレジリエンスと安全性を促進する。
▽世界中の信頼できるサプライヤーとの安全な接続性に資金を提供し促進する。

これらの実績は、米国とEUの永続的な絆と、共通の関心と地政学的な関連性を持つ貿易・技術上の戦略的問題に関する実務的な協力の場を維持することの重要性を示している。米国とEUがそれぞれの選挙手続きに入る中、TTCの下で行う作業は、状況の変化に適応するために必要な柔軟性を確保しつつ、関連性、戦略性、適時性を維持する。これまでの協力からの教訓を踏まえ、我々は2024年の残りの期間を利用して、米欧の利害関係者と対話しTTCの将来に対する彼らの見解を求めていく。

[DW編集局]