[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
内閣府
元記事公開日:
2024/04/23
抄訳記事公開日:
2024/06/10

アラン・チューリング研究所、報告書でAIの国家安全保障のリスクと利点を指摘

Alan Turing Institute: AI will be key to future national security decision making – but brings its own risks

本文:

(2024年4月23日付、内閣府の標記発表の概要は以下のとおり)

政府の委託による新たな第三者報告書の調査結果によると、AIは政府や情報機関の国家安全保障上の上級意思決定者を支援する貴重なツールと見なされる必要があるという。このほど発表された報告書では、アナリストを支援してデータをより迅速かつ正確に処理することで、AIが情報分析において革新的な改善をもたす可能性を再確認している。またその結果、英国をより安全に保つ可能性を指摘している。

同報告書では、AIの使用は、情報分析と評価に内在する不確実性の側面を悪化させる可能性があることを明らかにしており、国家安全保障の意思決定においてAIを使用する人々に対する追加の指針が必要であることを示唆している。

分析に利用できるデータが大幅に増加するにつれ、AIを使用してデータ処理の管理タスクを処理したり、人間の能力を超えたパターン、傾向、異常を特定したりできるようになった。同報告書の著者らは、この技術を利用しないことは機会を逃すことになり、インテリジェンス評価の価値を損なう可能性があると述べている。

同報告書は、統合情報機関(JIO)と政府通信本部(GCHQ)の共同委託を受け、アラン・チューリング研究所の新興技術・セキュリティーセンター(CETaS)が執筆したもので、AIを活用したインテリジェンスのリスクと利点の両方を、国家安全保障の上級意思決定者に対してどのように伝えられるべきか検討している。

同報告書は、AIの大きな可能性に光を当てながら、(バイアスに対抗するために人間の判断とAIによる推奨事項の両方を伴う継続的な監視と評価を行って)インテリジェンス評価にAIを安全かつ責任を持って使用することの重要性を強調している。

同報告書は、戦略的意思決定者がAIによって強化されたインテリジェンスによってもたらされる新たな不確実性の理解に役立つ追加のトレーニングとガイダンスを提案している。追加の推奨事項には、新しい技術に対する信頼を築くために、情報アナリストに加えて、局長、次官、大臣、およびそのスタッフを含む国家安全保障の戦略的意思決定者のスキルを向上させることが含まれている。

政府はすでに、英国政府の生成AI枠組みを通じてこの取り組みを開始しており、政府内で働く人々に生成AIを安全かつ安心に活用するためのガイダンスを提供している。

[DW編集局]