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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 英国研究・イノベーション機構(UKRI)
- 元記事公開日:
- 2024/05/08
- 抄訳記事公開日:
- 2024/06/11
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AIの急速な進歩に対応する英国のプロジェクトに1,200万ポンドを助成
- 本文:
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(2024年5月8日付、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり)
人工知能(AI)の急速な発展の課題に対処するための一連の画期的なプロジェクトに対し1,200万ポンドの資金が提供された。
資金提供はResponsible AiUK(RAI UK)によって行われ、4年間実施される3,100万ポンドのプログラムの柱となるものである。うち3件の取り組みは、現在社会全体で構築および展開されている生成AIおよびその他の形式のAIに関する新たな懸念に対処することを目的としている。これらのプロジェクトは、医療・社会福祉セクター、法執行機関、金融サービスの分野をカバーしている。
さらに2件のプロジェクトでは、「責任あるAI」を生産性の向上に役立てる方法、またこれらの技術の設計と導入において国民の声を反映させる方法について検討する。
RAI UKは、UKRI技術ミッション基金および工学物理科学研究会議(EPSRC)を通じてUKRIの支援を受けながら、サウサンプトン大学が主導する。UKRIはまた、これらの取り組みをさらに支援するために、追加の400万ポンドの資金提供を約束した。一連のプロジェクトの主な項目は以下となる。
複雑な社会・技術的課題への対処
これらのプロジェクトは学際的であり、コンピューター科学者や社会科学者、その他の専門家が集結する。現実世界で展開される生成AIやその他の形式のAIを使用して、すでに存在するか、または新たに出現しつつある複雑な社会・技術的課題に対処することを目指す学際的な研究を実行する。英国を将来のAI開発大国に変える
昨年の設立以来、RAI UKは1,300万ポンドの研究ファンディングを実施してきた。AI安全研究所、アラン・チューリング研究所、英国の“Bridging Responsible AI Divides(BRAID)”の主要な取り組み全体で、進行中の作業を支援する独自の研究プログラムを展開している。AIを活用して警察や裁判所を支援する
最重要プロジェクトに対する1,050万ポンドの助成が、昨年のRAI UK設立時のUKRI技術ミッション基金の投資から割り当てられた。警察や裁判所がデジタルデータの過多や未知のリスクに対処し、業務効率を高めるのに役立つ。これには、法執行にAIを利用する際の不確実性に焦点を当てたPROBabLE Futuresプロジェクトに対する350万ポンド近い資金が含まれる。大規模言語モデルに対する信頼の限界に対処
特に医療やソーシャル・コンピューター向けの大規模言語モデル(LLM)の限界に対処するプロジェクトに、約350万ポンドの資金が割り当てられた。LLMが影響を考慮することなく急速に採用されていることへの対処となる。AIを理解する人々の手に力を取り戻す
残りの350万ポンドは、グラスゴー大学が主導する「参加型危害監査ワークベンチと方法論」プロジェクトに充てられる。その目的は、AIツールが虚偽またはでっち上げた情報を事実として提示する場合の偏見や「幻覚」から生じる危害の可能性を最小限に抑えながら、予測および生成AIの潜在的な利点を最大化することで、人々の手に監査力を取り戻す。「責任あるAI」に市民の声を取り込む
UKRIは、最重要プロジェクトと追加の衛星プロジェクトの両方を支援するために、UKRI技術ミッション基金を通じて追加の400万ポンドの支援投資を行った。AIの研究、開発、政策において市民の声が確実に反映されるよう、Digital Good Network、アラン・チューリング研究所、Ada Lovelace研究所に75万ポンドの助成が行われた。このプロジェクトは、AIに関する国民の意見に関する知見を統合、レビュー、構築、共有し、AI の研究、開発、政策に多様な一般の人々の声が反映されることを目的としている。「責任あるAI」の状況を理解する
さらに、インセンティブ構造、ビジネスモデル、規制の枠組みを通じて、「責任あるAI」の導入をどのように奨励できるかについての知見を得るために、生産性研究所に65万ポンドの助成が行われた。責任あるAIがどのように生産性を促進し、技術が社会全体で責任を持って展開され、英国の繁栄を高めることができるかを理解するものとなる。 [DW編集局]