（2024年5月7日付、科学・イノベーション・技術省（DSIT）の標記発表の概要は以下のとおり）

新たな国立数学アカデミーの設立を目的として、今後3年間で最大600万ポンドの助成金を提供するオープン・コンペティションがこのほど開始され、2024年6月4日まで実施される。数学の計り知れない価値を擁護し、将来の雇用を創出し、英国経済を活性化させるために、数理科学に特化した新しい国立アカデミーを設立する機会に応募する団体を募集している。

技術がこれまで以上に速く進化する中、数理科学はAI、原子力、コンピューティングなど未来の仕事にとって極めて重要であり、英国は、（勤勉に報い、野心を称え、若者に人生を生きていく上で必要なスキルを与える）明るい未来への道を歩むことになる。

新アカデミーは、数学をスキル開発の主要な優先事項として位置づけ、イノベーションを促進する王立協会や王立工学アカデミーなど、他の科学分野における既存の英国国立アカデミーの成功に倣うことを目指す。今後3年間で、数学に焦点を当てた新設の国立アカデミーには次のことが期待されている。

・数学に関する信頼できる専門家によるタイムリーな助言を政府、政策立案者、産業界に提供し、このテーマに関するアジェンダ策定に資する。

・数理科学への国民の支持と関与を増やし、雇用と経済の成長、科学・技術による発見を促進する上でのこのテーマの重要性、それが我々全員の健康と生活を如何に向上させることができるかについて広く伝える。

・数学コミュニティ全体からの声を集め、英国の数理科学セクターの明確なビジョンを示す戦略を発表する。

長期的には、次のことが期待されている。

・人工知能やデータ科学、政府の重要技術など、将来の成長を支える産業を支援する高度な数学スキルにおける英国の競争力を支援することに特に重点を置き、英国全土で数学スキルの向上と開発に取り組む。

・民間および第三セクターの資金を活用する。採択された申請者には当初政府から最大600万ポンドの資金が提供されるが、アカデミーは政府機関ではないため、民間および第三セクターの補完的な資金源を模索する必要がある。

・数理科学コミュニティが世界規模の課題を抱え、その解決において重要な役割を果たしていることを認識し、国際協力を実施する。

[DW編集局]