[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2024/04/30
抄訳記事公開日:
2024/06/13

EUと日本、デジタルID、半導体、人工知能に関する共同研究を推進

EU and Japan advance joint work on digital identity, semiconductors, artificial intelligence

本文:

(2024年4月30日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

4月30日、EUと日本はブリュッセルで第2回デジタル・パートナーシップ会議を開催し、人間を中心に据え、基本的権利を尊重するデジタル変革に向けた共通の価値観とビジョンを推進するための戦略的パートナーシップの重要性を再確認した。

両者は、人工知能(AI)、5G、6G、半導体、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)、量子技術などの中核デジタル技術でのさらなる協力、データ・プラットフォーム経済、海底ケーブル、eID、サイバーセキュリティにおける協力強化に向けて新たな成果目標のリストに合意した。

■ 第2回デジタル・ パートナーシップ会議の主な成果

EUと日本はこのほど、デジタルID・トラストサービスに関する協力覚書に署名した。この覚書は、EUと日本の間でのデジタルIDイニシアチブに関する共通の理解を構築するもので、煩雑な手続きを削減し効率を高めることにより、電子商取引とビジネスチャンスに利益をもたらす。

EUデジタルIDウォレットおよびトラストサービスに基づく協力と活用の事例を通じて、信頼のあるデータの自由な流通を促進する。

半導体の領域では、2023年7月の半導体に関する協力覚書を実施するため、研究プログラムを策定する専門家チームを設置することを決定した。また、公的支援制度に関する情報交換を促進するための行政上の取り決めも準備する。

EUと日本はハイ パフォーマンス・コンピューティング(HPC)に関する共同研究を継続する。また、さらなる協力のための量子・HPCハイブリッド・アプリケーションと活用例を特定している。両者は量子の基礎研究における共同プロジェクトのテーマを検討する。また、規格やスキル・ギャップに対処する方法など、サイバーセキュリティに関する協力も模索している。

6Gに関しては、共同研究プロジェクトを立ち上げ、6G技術の開発に不可欠な世界標準の取り組みを支援する意向である。両者は、オープンでレジリエントなネットワークに対する共通のビジョンを再確認した。

さらに、両者はEU AIオフィスと日本のAI安全研究所(AISI)の協力を強化する意向を発表した。EUはまた、AI法の主要条項が発効して一般に適用される前に、自主的に早期遵守を促進するために、欧州委員会が立ち上げたAI協定(AI Pact)に日本企業が参加するよう奨励した。

2023年7月3日に欧州委員会と日本の総務省との間で署名された安全で強靭で持続可能な世界的接続のための海底ケーブルに関する協力覚書に沿って、安全で強靭な海底ケーブル・インフラを展開する重要性を確認した。両者は、商業的機会、国境を越えた信頼できるデータフロー、海洋調査を推進するために、例えば北極を経由する欧州と日本間の直接接続リンクの開発で協力を継続する。

最後に、表現の自由が保証される安全なオンライン環境を確保するために、欧州デジタルサービス法やデジタル市場法などのオンラインプラットフォーム規制に関する定期的な情報共有チャネルの創設を検討することに合意した。

[DW編集局]