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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国家科学技術会議(NSTC)
- 元記事公開日:
- 2024/05/02
- 抄訳記事公開日:
- 2024/06/21
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NSTCが連邦研究開発インフラに関する報告書を公表
- 本文:
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(2024年5月2日付、国家科学技術会議(National Science and Technology Council:NSTC)の標記発表の概要は以下のとおり)
NTSCは、「技術・教育・科学における卓越性を有意義に促進する機会を創出する米国法(COMPETES法)」により義務付けられていることから、「米国連邦研究開発インフラ:国家の世界的な科学的リーダーシップと未来の経済・国家安全保障の基盤」と題する報告書を取りまとめた。
本報告書は、米国の研究開発インフラ(RDI)が直面している問題や、それによる科学技術の世界的リーダーとしての米国の地位への影響を評価するもので、連邦省庁がそれぞれのニーズとリソースに基づいて研究開発基盤の懸念を評価し、対処するためのツールの提供を目指している。なお、本報告書は、連邦政府のRDIの管理・政策ツールを示した「RDIに関する国家戦略概要」(2021年)に基づいている。
本報告書では、米国の研究開発に影響を及ぼす主要な問題として、研究インフラの老朽化と不十分さ、標準以下の施設による連鎖的な影響、世界的な研究開発アウトカムの格差拡大、優秀な科学技術人材の採用と定着の課題、の4点を挙げている。そして、連邦の各機関が既存の予算と法的権限の範囲内で、これらの対処に役立つ対応策について、以下の4領域を特定している。
① 戦略的計画
各機関は、予算立案者や議会等に、RDIへの投資の必要性を、そのようなRDIへの投資が実現しなかった場合の潜在的な影響を含め伝えるプロセスを開発すべきである。ミッション遂行に対する具体的かつ測定可能な影響の提示は、原因の特定が難しい一般的な影響よりも、説得力を有する。また、RDI投資の必要性は、各機関が策定したコストと明確な優先順位付けの両方を含め、施設の維持と現代化の必要性を徹底的に評価した上で文書化すべきである。② ギャップの特定
各機関は、10年ごとの調査、ワークショップ、その他の地域計画の機会を活用し、産学官の研究者を支援するための長期的な連邦RDIニーズを特定し、優先順位付すべきである。また、各機関は、施設の閉鎖によって米国が国際的な施設に依存しうる可能性があることを認識し、利用可能な施設が米国や同盟国によって保有されなくなった場合の影響を考慮すべきである。③ 国際 RDI のベンチマークと協力関係の特定
各機関は、エネルギー省科学局の諮問委員会、国務省の国際施設調査、および10年ごとのベンチマーキング活動などを通じて、各所管分野における米国の競争力を定期的に評価すべきである。国際協力を促進するため、各機関は既存のメカニズムを活用し、国内外の協力活動を促進する新たな方法を特定するとともに、現物供与、材料交換、契約・知的所有権の条件、技術輸入に関する障壁を低減すべきである。④RDI戦略の共有
NSTCのRDI小委員会は、米国RDIの競争力を確保することに重点を置いた省庁間ワーキンググループを運用し、長期戦略計画の取り組みに関する情報の共有、能力ギャップの特定、施設における国内外の協力機会の促進などを検討する。本報告書によると、米国が科学大国であり続けるためには、高度なRDIのサポートと維持が求められるが、連邦議会予算は、複数政権にまたがるメンテナンスの必要性に追いついておらず、その結果、複数の政府機関で数十億ドル規模のメンテナンスの積み残しが発生し、政府の管理者は科学ミッションの遂行か施設メンテナンスかの選択を迫られている。状況改善の措置がなければ、メンテナンスの遅れは、米国の納税者にとっても、国家の重要な科学技術プログラムの多くにとっても、コストとその影響の両方を増大させるばかりである。
[DW編集局]