[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究省
元記事公開日:
2024/06/19
抄訳記事公開日:
2024/06/24

文化・創造産業向けプログラム開始 PEPRの一環

PEPR ICCARE, la recherche au service des industries culturelles et créatives

本文:

 政府は19日、国として重点投資するプログラム「PEPR」の一環として、エンターテインメントなどの文化・創造産業向けの投資プログラムを正式に開始した。政府の5か年投融資計画「フランス2030」で掲げた基盤的6条件の一つであるデジタル技術の研究開発を、同じく「フランス2030」で掲げた10大目標である文化・創造産業の発展へと応用させる、そのテコにしたい考えだ。

 今回始まった投資プログラムは「ICCARE」(イーセーセー・アーエルウー)。「文化・創造産業」「アクション」「研究」「実験」のフランス語の頭文字を取っている。

政府は2021年に文化・創造産業の「加速戦略」を発表し、同年から26年までの6年間で、分野全体で計4億ユーロの投資を目標としている。今回のプログラムは、このなかから2,500万ユーロ(6年間合計)を投資するとしており、活動の柱は、➀「ICCAREラボ」を設置し、社会科学の研究者、情報学の研究者、文化・創造産業のプロフェッショナルらの協力関係を作ることで、各セクター同士の研究コミュニティを活性化させること、➁ターゲットを絞った領域横断プロジェクトを運営し、関係する全セクターにまたがる科学的な共通課題を問い直すこと、➂状況に応じて関心表明公募を一括して行い、新たな協業や研究活動を生み出すこと――の三種類。

 実施予定のプロジェクトは次の6件である。

▽「HARMONIE(アルモニー)」:デジタル・トランスフォーメーションやAIの変化に合った放送やコンテンツの制作

▽「THÉMIS(テミス)」:あらゆる人に関する問題

▽「危機と福祉とレジリエンス」:より広範な民主主義を手にするツールとしての文化・創造産業の深化

▽「文化・創造産業のオルタナティブ」:関連産業で新たに起こってくる問題の探知

▽「STYX」:メタバース規制に関する、経済的もしくは法的な課題

▽「COMET」:複合的メタバースに関連した認知・知覚

[DW編集局]