[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2024/06/05
抄訳記事公開日:
2024/07/04

NSF、新たなTRUST提案評価プロセスで研究セキュリティを強化

NSF enhances research security with new TRUST proposal assessment process

本文:

(2024年6月5日付、国立科学財団(National Science Foundation:NSF)の標記発表の概要は以下のとおり)

 米国立科学財団(NSF)は6月5日、新たなリスク軽減プロセスである「TRUST」(Trusted Research Using Safeguards and Transparency)の枠組みを発表した。これはNSF研究セキュリティ戦略・政策責任者室(Office of the Chief of Research Security Strategy and Policy:OCRSSP)が作成したもので、▽現役の人事および役職の評価、▽開示その他の要件が遵守されない事例の特定、▽潜在的に予測可能な国家安全保障上の考慮事項を含めること――が盛り込まれており、NSFが国の安全保障上のリスクに対する助成金申請を評価する際の新しい指針となる。

 安全保障上のリスク管理をめぐっては近年、「2022年半導体・科学法」(CHIPS and Science Act of 2022)が「管理された非機密または機密情報」へのアクセスを伴う可能性のある研究分野を特定するとともに、「アクセスを許可する際には十分な注意を払う」ようNSFに求めていた。また2023年度歳出報告書も、NSFに国防長官や国家情報長官と協力し、外国の軍事作戦に影響を与えることがわかっている、または影響が疑われる、NSF 資金によるすべてのオープンソース研究機能のリストを作成し、維持するよう指示している。

 NSF はまた、コンサルティング サービス提供機関のJASON に報告書「研究活動のセーフガード(Safeguarding the Research Enterprise)」の作成を委託しており、その報告ではNSF が研究の機密領域を特定するために実行できる具体的な手順と、NSF が懸念される領域でセキュリティを強化するために使用できるプロセスが推奨されている。

 今後TRUST プロセスは 3 つのフェーズで展開される。まず第1フェーズでは、2025 会計年度から、量子関連分野の提案でこのプロセスが試験的に実施される。第2フェーズでは試験結果をふまえつつ対象を2022年半導体・科学法で定められた他の主要な技術分野に拡張し、第3フェーズではすべての主要な技術分野やNSF 技術イノベーション・パートナーシップ局の優先事項を対象とする予定である。

[DW編集局]