[本文]
-
- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 上院(元老院)
- 元記事公開日:
- 2024/07/08
- 抄訳記事公開日:
- 2024/07/09
-
マクロン大統領、首相の辞表を拒否 「当面の間」留任へ
- 本文:
-
マクロン大統領は8日、ガブリエル・アタル首相が提出した辞表の受理を拒否した。「当面の間」は首相職にとどまるとみられる。
アタル首相は1月に就任したが、マクロン大統領による解散に伴って行われた下院総選挙(6月30日と7月7日)で、中道の与党連合「アンサンブル」が左派連合「新人民戦線」(NFP)に敗れた責任を取って辞意を表明。8日午前に大統領府を訪れて辞表を提出した。だがマクロン大統領は「国を安定させるため」として受理せず、「当面の間」はとどまるよう求めたという。期間は未定である。
◇
【解説】フランス政府の首相職は選挙ではなく大統領の指名によって決まるが、議会多数会派の議員のなかから指名することが通例となっており、今回の下院選直後は、第一会派となったNFPを主導する極左政党「不服従のフランス」(LFI)のジャン=リュック・メランション党首が就くとの見方が大勢を占めていた。このためたとえ「当面の間」であっても、アタル首相が留任することにはNFPなどからの反発が予想されるほか、与党連合内でも、下院解散を強行して大敗したマクロン大統領への不満がくすぶっているとされる。さらに決選投票直前には単独で組閣できる可能性さえ指摘されながら、NFPとアンサンブルによる候補者一本化作戦に阻まれた極右政党「国民連合」(RN)と政治的に協力できるめども立っていない。政局は先行き不透明な状態が続くとみられる。(フランス担当フェロー・内田遼)
[DW編集局]