[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学審議会(NSB)
元記事公開日:
2024/05/21
抄訳記事公開日:
2024/07/12

NSB「科学工学指標2024年版報告」:企業からの研究開発資金が米国研究開発の大半を占める

New report shows that business R&D funding dominates the U.S. R&D enterprise 

本文:

(2024年5月21日付、国家科学審議会(National Science Board: NSB)の標記公表の概要は以下のとおり)

米国は世界最大の研究開発投資国で、2023年の国内総支出は8,060億ドルであった。次いで中国が6,680億ドルでこれに続いた。米国全体の研究開発投資は急速に上昇し続けているが、政府による基礎研究への投資は過去10年間で減少している。米国企業による研究開発投資は、1980年代に政府投資を上回り、今や米国全体の研究開発投資の大半を占めている。

これらの内容は本日NSBが発表した報告書「研究開発:米国の傾向と国際比較」の調査結果の一部である。この報告書は、NSB指導の下、国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が作成したもので、米国議会により作成を義務付けられている「科学工学指標2024年版」の一部である。

米国企業部門の研究開発投資は2022年に推定6,930億ドルで米国全体の78%を占めた。企業投資の80%近くは試験的開発が目的で、短期的な商業利益が見込まれる段階で投入されている。民間部門の研究開発投資も情報技術や医薬といった少数の主要業種に高い割合で集中している。

報告書の他の要点は以下のとおり。
‐ 研究開発投資のその他の上位国: 日本(1,770億ドル)、ドイツ(1,540億ドル)、韓国(1,200億ドル)
‐ 2023年、国内総生産に占める研究開発投資: 米国は3.5%、イスラエルと韓国は4%以上、台湾と日本とドイツは3.5~4%、英国と中国は2%以上
‐ 2022年、米国では高等教育機関が企業に次いで多くの研究開発を実施
‐ 政府省庁での科学・工学分野への投資では、生命科学への420億ドル(全体の44%)が最大で、これは主に保健福祉省による。

[DW編集局]