[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2024/06/24
抄訳記事公開日:
2024/07/23

連邦政府資金による研究のオープンアクセス出版のための資金調達メカニズムに関する最新報告書

Updated Report to the U.S. Congress on Financing Mechanisms for Open Access Publishing of Federally Funded Research

本文:

(2024年6月24日付、大統領府科学技術政策局(OSTP)の標記発表の概要は以下のとおり)

OSTPは、2024年包括歳出法に従って、連邦政府資金による研究のオープンアクセス(OA)出版のための資金調達メカニズム、および連邦政府のパブリックアクセス政策が査読と研究の公正性に与える潜在的な影響に関する報告書を連邦両議会の歳出委員会に提出した。

なお、本報告書は、2023年11月以降のOA出版をめぐる動向を取り上げ、2022年 8月25日の「連邦政府資金による研究への自由、即時かつ公平なアクセスを確保する」と題する覚書(2022年覚書)」および2023年11月にOSTPが発表した報告書(2023年報告書) の内容を含み、総括している。

2022年覚書においてOSTPは 「経済的手段と特権的アクセスは、米国民が受けるべき連邦政府資金による研究の利益を実現するための前提条件であってはならない。従って、連邦政府によるパブリック・アクセス・ポリシーの目的は、連邦政府の投資によって、米国の納税者が支援する知識が解放され、連邦政府が支援する研究の恩恵が米国全体に恩恵をもたらすことである。」と述べている。 また、2023年報告書では、次についての詳細な財務分析が含まれていた。 (1) 2016~2021会計年度に連邦研究助成機関が負担した論文処理費用(APC)と、転換契約費用、(2) 様々な背景と分野の科学者が執筆した学術出版物の量に対するこれらの資金調達メカニズムの評価、および(3) 学術出版物に対するOA政策の影響について理解を深めるために必要な追加データに関する考察。

本報告書では、以下の事項を取り上げている。
①2022年覚書以降に更新され、2025年12月31日までに実施される各連邦機関のOA政策
②2023年11月の報告書以降の学術出版のトレンド。連邦政府資金による研究のOAを可能にするビジネスモデルに関する議論および研究成果の一般公開を推進する国内外の動向
③2016年から2022年までの連邦政府資金による研究のAPCの推定値に関する分析の拡大と、これらの費用の算出に伴う制限についての考察
④連邦政府の一般公開政策やOA実践を含む研究公正性を推進する取組み
⑤研究の公正性、公平性、持続可能性に関連する査読の傾向

そして、特に次のような結論を得ている。
▽2023年報告書以降、連邦政府の研究開発費のうち、APCに充てられた割合は、使用する書誌情報により異なるが、0.09~0.25%と推定
▽学術出版の状況は急速に進化しており、この傾向をより適切に監視するためのデータが必要

[DW編集局]