（2024年6月26日付、欧州委員会（EC）の標記発表の概要は以下のとおり）

欧州委員会は、EU国家援助規則に基づき、H2GS AB社による大規模なグリーン製鉄プラント建設を支援するために、「復興・強靱化ファシリティ（RRF）」を通じて一部資金支援される2億6,500万ユーロのスウェーデンの国家援助措置を承認した。この措置は、EU水素戦略、欧州グリーンディール、グリーンディール産業計画の目標達成に資するほか、REPowerEU計画に沿ってロシア化石燃料への依存を終結させ、グリーン移行の加速に役立つ。

スウェーデンの復興・強靭化計画に対する欧州委員会の肯定的な評価と理事会による採択を受けて、スウェーデンが通知した2億6,500万ユーロの予算を伴う措置は、RRFを通じて部分的な資金支援が実施されることになる。

この措置では、スウェーデンのボーデンに大規模なグリーン製鉄プラントを建設するというH2GS社のプロジェクトを支援する。この製鉄プラントには、①690メガワットの容量を持つ世界最大級の電解槽、②再生可能水素で稼働する直接還元工場、③電気アーク炉2基、④冷間圧延および仕上げ設備、の建設が含まれる。

新プラントは2026年に稼働を開始、年間240万トンのグリーンスチールを生産する予定である。製造プロセス全体に再生可能エネルギーを使用することで、従来の鉄鋼製造プロセスと比較して、温室効果ガスの排出量が最大87%削減される。H2GS社は、プロジェクトを通じて得られた経験と技術ノウハウを産業界や学界と積極的に共有することを約束している。

この援助は2億6,500万ユーロの直接交付金という形で行われる。総投資額60億ユーロのこのプロジェクトは主に民間投資によって賄われるが、EUイノベーション基金の支援対象にも選ばれており、欧州投資銀行（EIB）からも資金支援を受けている。

[DW編集局]