[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
若手研究者連盟
元記事公開日:
2024/07/16
抄訳記事公開日:
2024/07/29

若手研究者連盟、活動停止へ スタッフ減で「余力なし」

Fin de la Confédération des Jeunes Chercheurs, mais le combat continue

本文:

 フランスの若手研究者団体の連合組織として活動する非営利団体「若手研究者連盟」(Confédération des Jeunes Chercheurs:CJC)は16日、今年12月に活動を停止すると発表した。CJCに加入する団体や運営スタッフの数が減少して「十分な余力がなくなってしまったため」という。

 CJCは1996年に設立され、博士課程学生や若手研究者の雇用確保や権利擁護などを行ってきた。博士課程在籍中の学生らがスタッフとして無償で活動しており、博士人材の支援などを盛り込んだ「複数年研究計画」(中期研究計画、2021~30年)策定前の時期には、高等教育・研究大臣と意見交換するなどの活動も行っていた。こうした時期にあたる2018~19年頃には35~40人程度のスタッフがいたが、ここ数年で減少し、現在はわずか8人だという。うち3人は博士論文を執筆中の学生で「多忙かつ疲弊している」ほか、別の2人は有期雇用の研究者として外国に滞在していることから、CJCは「これほど少ない人数のボランティアで回すことはできない」と判断した。

 CJCは「若手研究者を取り巻く環境は近年改善してきた」としているが、一方で加盟各団体のなかで「後継となるボランティアスタッフがなかなかみつからず、それが各団体の活動の低下につながっているのではないか」などと分析した。そのうえで「若手研究者の労働環境を守ろうと積極的に行動している個人や団体は、国内にまだ多数ある」ともしており、こうした個人や団体が今年12月14日に集まり、今後の活動について話し合うことを呼びかけている。

[DW編集局]