[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター
元記事公開日:
2024/07/18
抄訳記事公開日:
2024/08/15

CNRS、中国との関係を強化へ(中編)

Le CNRS intensifie sa collaboration avec la Chine

本文:

(前編からつづく。前編は8月14日に公開済みです)

リスクに関する40 年間にわたる科学的協力(NSFCとの共同ファンディングについて)

 1980年代以来、フランスと中国の研究者は、陸上のリスク、特に地震について協力して研究を続けてきた。CNRSの科学代表団総局(DGDS)持続可能開発およびリスク担当代表のステファン・ ギヨ氏は、この協力により、特に地震学と地球力学において科学交流の強めることができると強調する。 「陸上のリスク、特に地震に関する研究は、フランスのチームが最初に呼びかけに応じた1980年代にまで遡る」と説明する。「チベットは、インドプレートとアジアプレートという二つのプレートが年間5センチメートルの速度で交わる地域だ。これによりチベット高原の大きな断層が縮み、定期的に強い地震を引き起こす。密集した植生がないため地質構造を明確に観察でき、研究がしやすい」という。

 パリ地球物理学研究所に代表されるように、様々な歴史的プロジェクトがこうした協力関係を形作り、最近でも、地球物理学者のポール・タポニエや地殻変動学者のヤン・クリンガーなどのフランス人のプロジェクトは、欧州委員会の欧州研究会議(ERC)の補助金を取得している。またオルレアン地質科学研究所(ISTO)のチームも、3億年にわたる中国の大陸構造の進化を研究している。 北京地質地球物理研究所(CAS)との注目すべき協力関係は2014年から続いており、中国の研究者は、グルノーブル地質科学研究所やイタリアの大学の研究者らと協力して、アルプスで地球物理画像研究を実施している。

 「気候変動に関連するリスクは、仏中協力にとって新たな課題だ」とステファン・ギヨ氏は説明する。土砂崩れや洪水などの自然災害で大きな影響を受けている中国では、自然災害(海面上昇、暴風雨)とそれに対処する能力の弱さ(人口密度や以前は無人だった地域のインフラ)が深刻化しており、危険性と脆弱性に関する研究を調和させることが重要である。パンデミックによって途絶えた交流の再開は、こうした連携を強化する機会となる。「(2023年10月の)中国代表団の訪問は、こうした問題に協力したいという願いの表れだ」とギヨ氏は述べる。

 リスクと生物多様性に関する協力強化を目的とし、今回CNRSとNSFCは、これら2テーマに焦点を当てた共同プロジェクトの募集を開始した。これにより、両国の研究者の間で行われる共同プロジェクトに最大5件まで、資金を提供することができるという。

(後編に続く。後編は8月16日に公開予定です)

【参考】7月11日公開記事

[DW編集局]