[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)
元記事公開日:
2024/07/17
抄訳記事公開日:
2024/08/20

連邦内閣:エネルギー研究に関する連邦報告書2024を閣議決定

Innovationen fördern für die Energiewende: Kabinett verabschiedet Bundesbericht Energieforschung 2024

本文:

(2024年7月17日付、ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、連邦内閣は、ロバート・ハーベック(Robert Habeck)BMWK大臣によって発表された「エネルギー研究に関する連邦報告書2024(Bundesbericht Energieforschung 2024)」を閣議決定した。本報告書には、エネルギー研究分野における連邦政府の助成施策の詳細な展望と、進捗および発展状況が示されている。

2023年、連邦政府は、第7次エネルギー研究プログラムの一環で、約14億6,000万ユーロのイノベーション支援を行った。また、へルムホルツドイツ研究センターのエネルギー研究分野に対して、7,570件の研究・開発・実証プロジェクトに10憶8,000万ユーロを助成し、ヘルムホルツ協会の基盤的経費として約3億2,500万ユーロを投資した。

この報告書の作成に当たっては、BMWKと並んで、基礎研究分野で連邦教育研究省(BMBF)、バイオエネルギー分野で連邦食料農業省(BMEL)、原子力の安全研究の推進分野で環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省(BMUV)も参加した。ドイツ政府は、革新的なエネルギー技術および効率技術の研究・開発・実証を促進するため、研究機関に加えて、エネルギー研究とイノベーションに投資する企業をサポートしている。

エネルギー研究への助成は、研究結果を可能なかぎり迅速に実用に移行できるよう支援することを目的としている。BMWKのエネルギー転換の実証実験とBMBFの水素主力プロジェクトが、これを支援している。2023年の研究助成は、気候中立な冷暖房のソリューション開発に特に焦点を当てた。本報告書では連邦政府資金に加えて、各州による研究支援、およびエネルギー部門におけるヨーロッパおよび国際協力についての紹介も行っている。

エネルギー転換の進展に特に貢献したプロジェクトの成功事例は以下の通り:

1) 人工知能(AI)によって最適化した地域暖房ネットワーク:ノイケルン地域暖房プラントのパイプラインネットワークでは、ML4Heat研究プロジェクトによって開発された、AIによるネットワークの制御運用がなされた。
2) 太陽光発電産業および半導体産業における水素リサイクル:これまで、水素を含むプロセス排ガスは未使用で大気中に放出されていたが、EH 2C研究プロジェクトでは、工業規模で水素リサイクルプラントを計画、建設し、成功裡に運営できた。
3) 社会的に受け入れ可能なカーボンプライシング:さまざまなカーボンプライシングが、家庭、エネルギーシステム、経済に及ぼす短期、長期的な影響を調査すると共に、カーボンプライシングの社会的受容に影響を与える要因について検討した。

[DW編集局]