[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2024/07/16
抄訳記事公開日:
2024/08/20

DARPA、量子コンピューティングをプロトタイプ段階に移行、将来性の検証へ

Moving Quantum Computing from Hype to Prototype- DARPA, collaborators seek to validate the promise of quantum computing -

本文:

(2024年7月16日付の米国防高等研究計画局(DARPA)からの標記発表の概要は以下のとおり)

DARPAは、従来予測より遥かに速く、産業に有用な量子コンピュータの構築が可能か判断することを目的に、産業用量子コンピューティングの調査に係る新たな取り組み「量子ベンチマーキング・イニシアティブ(QBI)」を開始した。量子コンピューティングのアプリケーションとアルゴリズムをベンチマークするとともに、ハードウェアの進歩を検証する取り組みを大幅に拡大する。

このためDARPAは、量子コンピューティング研究と高性能コンピューティングを主導するエネルギー省科学局、およびシカゴ都市圏で量子コンピューティング回廊の開発を推進するイリノイ州と、新たな協力関係を確立した。本件協力の支援のため、DARPAは国防総省の専門家、特に空軍研究所(AFRL)の量子科学者とエンジニアを活用する。

QBIは、「量子ベンチマーキング」と「実用規模の量子コンピューティングのための未開拓システム(US2QC)」の2つの既存プログラムから展開した。前者は、量子コンピュータが実現した際のインパクトの尺度を決定しようとするもので、後者は、産業界に有用なフォールトトレラント量子コンピュータの構築が可能かどうかを問うものである。

「量子ベンチマーキング」のチームはこのほど、量子コンピューティングが変革をもたらす可能性のあるアプリケーション領域と、その変革の実現に必要な量子コンピュータのサイズとタイプを提示する研究結果を発表した。またハード面を研究するUS2QCでは、複数のプロジェクトで実用規模のシステムへの可能性の高い道筋を示しているが、決して保証されているわけではない。

QBIは、両プログラムのソフトウェアとアプリケーションの焦点と、ハードウェア検証の焦点を組み合わせたものである。QBIは、量子コンピューティングの検証が成功すると信じるハードウェア企業の関与と資金提供、そして人材育成、インフラ、検証と妥当性確認の専門的知見への投入資金の大幅増加を目指している。

[DW編集局]