[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学審議会(NSB)
元記事公開日:
2024/07/22
抄訳記事公開日:
2024/08/21

NSBが米国の科学と工学を取り巻く環境の変化に関する新たな政策概要を発表

Dramatic changes in science & engineering landscape call for new U.S. strategies

本文:

(2024年7月22日付、国家科学審議会(National Science Board:NSB)の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、NSBが「A Changed Science and Engineering Landscape(科学と工学を取り巻く環境の変化)」という政策概要を公表した。この概要では、科学技術の状況における3つの根本的な変化が述べられている。なお、このような根本的変化は、強固な科学技術事業が国家経済と国家安全保障にとって不可欠になっているという背景のもとで起こっている。

① 米国の研究開発の大部分は企業が資金を提供: 企業は米国の研究開発投資の最も大きな割合を提供しており、過去10年間で、その成長は劇的に加速している。そして、2021年には米国の研究開発費をGDPの3.5%にまで押し上げた。しかし、企業による研究開発投資は、連邦政府のそれに取って代わるものではなく、連邦政府だけが、すべての分野、国全体、大規模に、そして長期にわたって投資できる。企業と連邦政府は補完的な関係である。

② 中国は米国の最大の競争相手であり協力者でもある: 科学技術における米国のリーダーシップは、中国の増加する科学技術への投資によって脅かされている。中国は、AI、半導体、量子コンピューティング、バイオテクノロジーなど、国家安全保障に極めて重要な技術分野において、競争相手である一方で、AIを含む研究発表において米国最大の共同研究相手国でもある。

③ STEMスキルを必要とする職の数が急増: 米国は国内の学生や労働者を適切に教育、育成できていない。米国の科学技術分野の博士号取得レベルの労働者に占める外国生まれの者の割合は、1993年の27%から2021年には43%に増加している。これら外国人労働者は重要な強みであるが、同時にリスクでもある。

[DW編集局]