（2024年7月25日付、科学・イノベーション・技術省（Department of Science, Innovatoin and Technology：DSIT）・Peter Kyle議員・Patrick Vallance卿による標記発表の概要は以下のとおり）

英国バイオバンクが、増大する豊富な医療データの使用と保管方法を向上させるため、新たに1,600万ポンドの資金増額を受ける。これにより、 認知症、パーキンソン病、糖尿病、がんなどの病気の予防、診断、治療の新たな方法の開発など、バイオバンクを利用する研究が支援される。

アマゾン・ウェブ・サービス（AWS）からは、1,000万ドル（約800万ポンド）相当のクラウド・コンピューティング・クレジットが提供され、英国バイオバンクがその比類のない量の医療データを安全に保存・処理するために必要なクラウド・インフラを確保できるように支援する。この寄付により、データストレージのほか、AIや機械学習などのその他のAWSサービスへのアクセスも提供される。これに、政府からさらに800万ポンドのマッチング資金が加わって、世界をリードする英国バイオバンクを医療研究の最前線に保つために設立された慈善団体グループを支援する。

2023年10月に、英国バイオバンクの長期的な将来を保証するため、エリック・シュミット氏とケン・グリフィン氏による最初の寄付金、および政府による同額の寄付金の、合計3,200万ポンドにより、公的慈善団体のコンソーシアムが設立されていた。今回の追加寄付により、英国バイオバンクへの支援は5,000万ポンド近くに達した。

英国バイオバンクは、医療研究のための世界で最も先進的なデータソースであり、ライフ サイエンス分野において英国および世界中の人々の医療の変革に役立っている。これは、英国の50万人のボランティアから収集した詳細な遺伝情報、医療情報、ライフスタイル情報のデータベースであり、利用登録した世界中の研究者は、匿名化された安全なデータへのアクセスを申請し、使用することができる。

英国研究・イノベーション機構（UKRI）は、2026年にマンチェスター・サイエンス・パーク」に開設予定の、英国バイオバンクの新たな本部の設置のために、2023年に127.6百万ポンドを投資した。これをもとに、英国バイオバンクを支援するコンソーシアムは、未来の研究能力向上に向けた変革型投資を予定している。

[DW編集局]