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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)
- 元記事公開日:
- 2024/07/24
- 抄訳記事公開日:
- 2024/09/02
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連邦内閣が水素およびその誘導体の輸入戦略を閣議決定
Bundeskabinett beschließt Importstrategie für Wasserstoff und Wasserstoffderivate
- 本文:
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(2024年7月24日付、ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)の標記発表の概要は以下のとおり)
本日、連邦内閣は水素およびその誘導体の輸入戦略を閣議決定した。この輸入戦略は緊急に必要となる水素およびその誘導体をドイツに輸入するための明確で信頼性の高い枠組みを示している。輸入戦略は、国家水素戦略を補完するものである。
ハーベック(Robert Habeck)BMWK大臣は次のように述べた:「ドイツは国内で、水素と誘導体に対する大規模で安定した需要を期待している。また、水素製造において信頼できるパートナーであり、水素製品のターゲット市場でもある。したがって、ドイツの輸入戦略によって、パートナー国は水素生産、必要な輸入インフラの開発、および顧客としてのドイツの産業への投資を安心して行うことができる。」
ドイツ政府は、2030年の水素とその誘導体に対する国内需要を95から130 TWh(テトラワットアワー)になると想定しており、約50~70%(45~90 TWh)を海外から輸入する必要がある。また需要は2045年までに360~500 TWhの水素と、約200 TWhの水素誘導体に増加する可能性がある。従って、輸入戦略の目的は、水素およびその誘導体に対するドイツの輸入需要を確実に満たし、供給を確実なものとすることである。輸入戦略の中核となる内容と目標は、次のとおり:
1) ドイツ経済の脱炭素化を確保し、各国の気候保護目標を達成するために、十分な水素と誘導体の持続的で安定・安全かつ多様な供給を確保する。
2) グリーンで持続可能な水素と誘導体の信頼性の高い供給を実現する。必要な水素が迅速に得られるよう、輸入戦略には需要を満たすために、製造時の炭素排出量の少ない水素とその誘導体も含める。
3) ドイツ政府は、水素の輸入に当たっては多様な水素関連製品を対象に考えている、すなわち分子状(気体または液体)水素、様々な水素誘導体(アンモニア、メタノール等)、キャリア媒体、たとえば「液体有機水素キャリア(liquid organic hydrogen carrier:LOHC)」などである。
4) パイプラインと船舶輸送のための輸入インフラの開発も並行して進める。技術的および経済的理由からパイプラインで接続できない地域からの水素の輸入が可能になる。
5) ドイツ政府は、規制問題、発電の可能性、インフラに関する欧州パートナーとの緊密な協力によって、多数のパートナー国や地域、ステークホルダーと国際的に協力し、供給源をできるだけ広範囲に多様化することを目指している。BMWKは、30を超える気候・エネルギー・パートナーシップとエネルギー対話の枠組みの中で協力し、さらに、多くのパートナー国と明示的な水素協定を締結している。 [DW編集局]