[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構(UKRI) 
元記事公開日:
2024/08/01
抄訳記事公開日:
2024/09/03

ヒト機能ゲノミクス・イニシアチブへの2,850万ポンドの資金提供

£28.5m in funding for Human Functional Genomics Initiative

本文:

(2024年8月1日付、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり)

医学研究会議(MRC)は、バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)と協力し、ヒト機能ゲノミクス・イニシアチブ(Human Functional Genomics Initiative)プログラムを設立するために2,850万ポンドの資金を提供した。このプログラムは、ゲノム変異が人間の生理機能にどのように影響し、時間の経過や病気によってどのように変化するかに関する理解を深めることを目的としている。

エクセター大学医学部のジョナサン・ミル教授が、新任のディレクターとしてこの取り組みを主導する。同教授はまた、このイニシアチブの一環として、また国内外のより広範な機能ゲノミクス・コミュニティと協力して、機能ゲノミクスにおけるデータの連携と統合の具体化と支援にも貢献する。

支援金のうち、460万ポンドのディレクター裁量経費(Director’s award)は、データの統括とネットワーク構築、および機能ゲノム研究の新興領域で活動する学際的な研究クラスタや外部パートナーとの連携に充てられる。MRCからの700万ポンドは、アストラゼネカ社およびケンブリッジ大学と協力して、ミルナー治療研究所(MTI)に新しい機能ゲノム・スクリーニング研究室を設置するために役立てられる。MRCとBBSRCからの1,690万ポンドは、機能ゲノミクスの4つの研究クラスターを支援する。

■ 機能ゲノム・スクリーニング研究室は、以下に対応する。
・アレイ化されたCRISPR遺伝子スクリーニングを容易にすることで、研究者とのコラボレーションを可能にする。
・当初は、免疫系、心血管系、神経系、呼吸器系に影響を及ぼす非がん性疾患の研究に重点を置く。研究は他の領域に拡大する可能性がある。

■ 4つの研究クラスターは、さまざまな疾患領域におけるゲノム変異に関する技術開発と研究に重点を置く。
・エディンバラ分子メカニズム・クラスター(エディンバラ大学):外科手術後に廃棄される組織の詳細な特性評価を行い、幅広い疾患の分子メカニズムを解明する。
・臨床コーディングバリアントの翻訳後修飾のヒト機能ゲノミクス(インペリアル・カレッジ): アミノ酸とタンパク質の機能を変化させる希少疾患に関連する遺伝子バリアントの生物学的影響を研究する。
・筋骨格の健康と筋骨格疾患の新しい治療法の理解に向けた遺伝的性質・細胞・基質の相互作用の利用(オックスフォード大学):筋骨格の健康と疾患に関する理解を深め、将来の研究のための治療ターゲットを生成する。
・ヒト脳発達クラスタの機能ゲノミクス(キングス・カレッジ・ロンドン):ヒトの脳組織を忠実に模倣した脳オルガノイドモデルを使用し、てんかん、自閉症、知的障害などの神経発達障害につながる可能性のある遺伝子変異を理解する。

[DW編集局]