[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2024/08/09
抄訳記事公開日:
2024/09/05

NSFの国立量子バーチャル研究所、最初の5つのパイロット・プロジェクトを採択

NSF National Quantum Virtual Laboratory advances with first five pilot projects

本文:

(2024年8月9日付、国立科学財団(National Science Foundation:NSF)の標記発表の概要は以下のとおり)

量子スケールの現象から、その実用化による利点や社会的利便性を実現することは、量子情報科学において長年待ち望まれてきたマイルストーンである。NSFは本日、そのマイルストーンの達成に向けた、5つのパイロット・プロジェクトへの500万ドルの初期投資を発表した。これは、この種の国家リソースとしては初めてとなるNSF国立量子バーチャル研究所(National Quantum Virtual Laboratory:NQVL)設立に向けた最初のステップとなるもので、実用志向(use-inspired)の量子技術に関する発見と開発を加速するものである。

当初12か月で、5つのパイロット・プロジェクトに各100万ドルの資金提供がなされる。これらプロジェクトは、アカデミア、産業界、国立研究所、政府などの、多様な経歴を持つ量子専門家や関係者がリードする。また年度後半には、さらに5つのパイロット・プロジェクトの発表が予定されている。これらのチームは、量子現象に焦点を当てた多様な研究開発を可能にする連合リソースとしてのNQVLの設計に向け、より多額の資金提供を目指して競うことになる。

NQVLは、地理的に分散された国家リソースとして機能することにより、専門的な研究インフラへのアクセスを拡大する。また、コンピューティング、ネットワーキング、センシングにまたがる広範かつ多様な利用者コミュニティが共同で設計した実用アプリケーションの創出を加速させる。

同研究所は、米国のSTEM労働力を成長させるための訓練と教育の機会を提供し、未来の産業を牽引することになる。アクセスの民主化と国家の量子科学能力の構築は、2018年の「国家量子イニシアチブ法」(National Quantum Initiative Act)で特定された科学技術の進歩を実現するためのNSF戦略の一環である。

[DW編集局]