[本文]
-
- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2024/08/14
- 抄訳記事公開日:
- 2024/09/11
-
プラスチック廃棄物が減れば海岸もきれいになる
- 本文:
-
(2024年8月14日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)
プラスチックは経済にとって重要な素材であり、日常生活のいたるところに存在しているが、誤って使用されると環境や健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
7月3日以降、EUで販売された使い捨てプラスチック・ボトルにはキャップまたは蓋が取り付けられていなければならない。これは小さな変更のように思えるかもしれないが、その影響は非常に大きい可能性がある。プラスチックのキャップや蓋は、欧州で毎年生成される約2,600万トンのプラスチック廃棄物の一部であり、その多くが世界中の海岸に打ち上げられている。海洋ごみの約80%はプラスチックである。キャップに関する変更がなぜ導入されたのか? それは、使い捨てプラスチックに関するEU法の1つの結果にすぎない。
この法律は、EUの広範なプラスチック戦略の一環であり、プラスチック汚染と海洋ごみを削減し、循環型で省資源のプラスチック経済への移行を加速することで、環境と人間の健康を保護することを目的としている。この戦略は、プラスチック生産の全段階にわたってプラスチック廃棄物を削減するために、EUの計画がどうあるべきかを示している。「使い捨てプラスチック指令」はプラスチックに”反対”するものではない。持続不可能なプラスチックの使用やポイ捨てに反対するものである。以下にEUがプラスチック汚染の削減に取り組んでいる領域の一部を示す。
・使い捨てプラスチック
使い捨てプラスチック製品は、一度または短期間使用されてから廃棄される。EUは使い捨てプラスチックに関する規則に基づき、欧州の海岸で最もよく見られる10種類(プラスチック製綿棒、食卓用食器類、食品容器、飲料用カップなど)の使い捨てプラスチック製品対策に取り組んでおり、持続可能な代替品を推進している。・ビニール袋
軽量のプラスチック製買い物袋は、多くの場合一度しか使用されないが、自然環境で完全に分解されるまでには何世紀もかかる。これらは欧州で捨てられる物のトップ10に入っている。EUは「プラスチック袋指令」に基づき、EU諸国に対し、軽量プラスチック製買い物袋の消費を制限し、年間消費目標を達成するための措置を講じることを義務付けている。・プラスチック包装
EUの包装に関する規則は、包装デザインと包装廃棄物の管理に関する各国の措置を調和させ、高いレベルの環境保護を提供する。この規則の最新の改正では、包装廃棄物の発生を防止し、包装廃棄物を最終処分するのではなく、再利用、リサイクル、その他の回収方法を促進するための最新の措置が含まれている。この規則では、2025年までにプラスチック包装の50%、2030年までに55%をリサイクルするという目標が設定されている。・マイクロプラスチック
マイクロプラスチックは、通常5mm未満の小さなプラスチック片である。難分解性で、非常に移動性が高く、自然から除去するのが困難である。海や土壌などの環境中、また食品や飲料水の中にもマイクロプラスチックの量が増大している。毎年、オリンピックサイズのプール200~600杯分のマイクロプラスチックが意図せずに環境に放出されていると推定されている。欧州委員会は2023年に、製品に意図的に添加されるマイクロプラスチックに対する「REACH規制」と、プラスチックペレットの環境への漏失を防止する法律案を採択した。EUは2030年までにマイクロプラスチックの放出を30%削減することを目指している。 [DW編集局]