[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
科学・イノベーション・技術省(DSIT) 
元記事公開日:
2024/08/14
抄訳記事公開日:
2024/09/11

2024~2025年度DSITの主要な予算見積りに関する覚書

DSIT Main Estimate memorandum 2024 to 2025

本文:

(2024年8月14日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)の標記報告の概要は以下のとおり)

この覚書は、2024~2025年度のDSITの主要な予算見積りについて詳述するものである。

■ DSITが目指す優先達成目標
・公的研究開発投資を最適化し、英国が相対的に強みを有する領域を支援して、民間の研究開発レベルを高めて、英国経済を世界で最も革新的なものにする。
・発見を新たな企業、成長、雇用に結び付ける多様な研究、イノベーションシステムを促進する。これは、世界トップクラスの物理インフラおよびデジタル・インフラ(ギガビット・ブロードバンドなど)の提供や、英国を技術ビジネスの立ち上げと成長に最適な場とすること、優秀な人材の育成・誘致、などによってなされる。
・NHS(国民保健サービス)や学校などの公共サービスを、イノベーションの最前線に置き、国民のための成果向上を図るべく、新しい働き方や各組織内のSTEM能力開発を推進する。
・統合レビュー(Integrated Review)[編集局注:欧州連合(EU)離脱後の安全保障、防衛、技術開発および外交に係る今後の方針を包括的にまとめた国家戦略文書。2021年発表、2023年改訂]に沿って、科学技術に関する国際協力を強化し、英国の研究者が欧州および世界中の一流科学者と引き続き協力できるようにする。
・競争を推進しイノベーションを促進する主要な立法および規制改革を実施する。これには、データ保護、デジタル情報法案、デジタル市場、競争・消費者法案、AI規制に対するイノベーション促進型アプローチなどが含まれる。
・英国民、特に子供たちのオンラインでの安全を守るために、改正オンライン安全法を実施する。
・科学技術枠組み(Science and Technology Framework)[編集局注:2030年までに英国が世界の科学技術大国として確固たる地位を築くための政府計画。2023年発表]の実施を主導する。

■ 主要な歳出領域
・リソースに関する省支出限度額(Resource Department Expenditure Limit:日常的な運営コストを含む現行会計年度内の支出):2024~2025年度総予算は6億ポンド(前年度実績予測比で-11.9%)。
内訳:①減価償却:          305.3(百万ポンド)
②中央および関連機関管理コスト 145.3
③デジタル、放送、メディア    63.8
④「デジタルUK」の構築     46.3
⑤協力組織を含むその他のコスト  45.1

・資本に関する省支出限度額(Capital Department Expenditure Limit:資産の創設または購入にかかる支出で、その価値が現在の会計年度を超えて拡大するもの。DSITの場合、これにはデジタル・インフラへの投資や研究開発(R&D)支出が含まれる)。2024~2025年度総予算は138億ポンド(前年度実績予測比で+9.8%)
内訳:①英国研究・イノベーション機構(UKRI)   8,912.5(百万ポンド)
②EUプログラムを含む英国研究基盤      2,409.1
③英国宇宙庁                 602.3
④その他の経費                588.0
⑤「デジタルUK」の構築 468.9
⑥英国気象庁 309.4
⑦高等研究発明局(ARIA) 260.0
⑧地理空間委員会 143.0
⑨国家計測システム(NMS) 132.6
⑩その他協力機関 20.9
⑪科学と社会 0.1

■ その他の歳出領域
・リソース年間管理支出(Resource Annually Management Expenditure:日々の支出は予測しにくく、DSITの場合、主に引当金の価値の変動と、英国国立科学・技術・芸術基金(NESTA)信託の支出が影響を受ける)。2024~2025年度総予算は251.1百万ポンド。
・資本年間管理支出(Capital Annually Managed Expenditure:予測しにくい投資支出で、DSITの場合、年金評価額などがある)。2024~2025年度総予算は10万ポンド。

[DW編集局]