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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ地球科学研究センター(GFZ)
- 元記事公開日:
- 2024/08/15
- 抄訳記事公開日:
- 2024/09/13
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世界的にユニークな地震観測所が観測を開始
- 本文:
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(2024年8月15日付、ドイツ研究センターヘルムホルツ協会ドイツ地球科学研究センター(GFZ)の標記発表の概要は以下のとおり)
GFZはトルコ北西部に位置するカピダグ半島において世界でもユニークな地震観測所を開設した。これはマルチパラメーター掘削観測所といわれるもので、イスタンブールから直距離で約100キロ離れたマルマラ海に面している。観測は地球プレートの穏やかな動きから一般的な地震までのすべての変形プロセス、さらには間隙水圧も記録することができる。目的は、マルマラ海地下のユーラシアプレートとアナトリアプレートの動きを最新技術によりこれまで不可能であった正確さで監視することである。
GFZはこれまで長年にわたりトルコ防災当局AFADとともに北アナトリア断層の地球物理学観測所GONAFを運営してきた。研究者は人口1.600万人以上のイスタンブールに隣接するこの地域において、マグニチュード7以上の地震が起こると予測している。GONAF所長のボーンホフ教授は、「統計的に考えると巨大地震は発生予測時期を過ぎている。」と語る。イスタンブール地域の企業と雇用はトルコ全体の経済力の約40%を占めており危険性が高い。
GONAF観測所はこれまでマルマラ地域の東部の7か所でデータを収集し観測を集中してきた。次に高い確率で大きな地震が起きると予測される「地震の隙間」は1999年のイズミット地震と1912年のガノス地震の間のマルマラ海全体にわたって東から西に延びており、イスタンブールはまさにこの上に位置している。
マルマラ海下の大陸プレートの境界全体を最適な測定精度で測定するために、観測区域をさらに西方に拡張することも決定された。目的は、イスタンブール地域のために新たな予測システムに基づく地震早期警報システムの開発である。これは、強度の地震が起こる前に派生する信号を全自動で分析して、必要に応じてトルコ当局に送信し、警告を発報することを目的としている。マルマラ断層地帯とイスタンブールの中心地域はほんの数十キロしか離れていないため、従来のシステムでは数秒前にしか警報を出せないためである。
[DW編集局]