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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2024/08/20
- 抄訳記事公開日:
- 2024/09/17
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欧州半導体製造会社(ESMC)の半導体工場起工式におけるフォン・デア・ライエン委員長の講演
- 本文:
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(2024年8月20日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)
世界最大の半導体メーカーが欧州の大手3社と力を合わせる。拠点となるザクセン州とドレスデンだけでなく、欧州大陸全体で、合わせて1万1,000件の新規雇用を得て、欧州の半導体企業は新たな技術と生産能力にアクセスできるようになる。欧州の産業界は、より信頼性の高い欧州でのサプライチェーンと、ニーズに合わせた新製品の恩恵を受けることになる。地政学的緊張が高まる中、TSMCにとっては欧州への地理的分散、自動車など欧州の優位分野へのアクセス向上といったベネフィットがある。
ドレスデンが特別なのは、自動車産業の一流企業が数多く集まっているという点だけではない。ここにあるイノベーションのクラスターも欧州ではユニークなものである。欧州は、我々のほとんどが考えるよりもはるかに革新的である。欧州の半導体研究開発は世界的に認知されており、信じられないほど強力なコンピュータを製造している。世界最高のチップ製造設備はここ欧州で製造されている。この地域には、チップ・セクターの企業が 2,500 社以上あって、若いスタートアップ企業と世界的な大企業、そして企業と学術界の間で素晴らしい協力関係が築かれている。
欧州の産業力を基盤として欧州チップ法を制定した。世界の半導体生産における欧州のシェアを20%に倍増するという目標を掲げてから3年が経過し、欧州全土で最先端のチップ工場が次々と建設されてきた。新しい工場は、欧州チップ法の下で、同種のもととしては初の施設として認定されている。言い換えれば、欧州の他の施設では存在しない、あるいは計画されていない製品を製造することができる。
そして実際、欧州チップ法が発効して以来、すでに1,150億ユーロ規模の官・民投資の取り組みを誘引している。これは欧州のチップ・セクターにとって真の投資革命である。
EUの産業競争力強化は、7月に提案した欧州委員会の新たな5カ年計画の中心的な柱である。まず第一に、新規予算の一環として、新たに欧州競争力基金を提案する。同基金は戦略的技術に投資することで、チップや先進パッケージングの分野を含む、欧州共通利益重要プロジェクト、いわゆるIPCEIに資するものである。第二に、新たなクリーン産業協定を提案する。中心的な目標の一つは、安価でクリーンなエネルギーと原材料へのアクセスを確保することである。そして三番目に、技能連合(Union of Skills)を設立する。欧州の労働者が、ここで創出される質の高い仕事に必要な訓練を受けられるようにしたいと考えている。
[DW編集局]