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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ経済研究所(DIW)
- 元記事公開日:
- 2024/08/23
- 抄訳記事公開日:
- 2024/09/26
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ドイツの満足度の上昇
- 本文:
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(2024年8月23日付、ドイツ経済研究所(DIW)ベルリンの標記発表の概要は以下のとおり)
収入、仕事、健康について、ドイツ人は20年前と比較して全体的に満足度が上昇した。しかし国民間での格差はかなり大きい。全体では収入と仕事の満足度は向上しており、健康については安定している。しかし、収入の下位3分の1の人々は、上位3分の1の人々と比べてすべての領域で満足度が低い。女性の収入についての満足度は上昇しているが、男性に比べるとまだ低い。子供のいる両親の満足度は、子供のいない人々と比べ、健康についての満足度が明らかに低い。DIWベルリンが2004年から2021年までのドイツ社会・経済パネル調査に基づく研究の結果として明らかにした。
回答者は質問に対してゼロ(全く不満)から10(完全に満足)までの数字で回答した。データを入手した最後の年である2021年には、全般的な生活状況についての満足度(7.4)が最も高かった。一方、仕事(7.2)、健康(6.9)、収入(6.9)はやや低かった。しかし、収入についての満足度は2004年(5.5)と比べ、かなり上昇した。「この調査期間の実質賃金が約10%上昇したことが理由ではないか。」と研究員のエントリンガー氏(Theresa Entringer)は説明している。
収入の面では満足度に関して、男性と女性の相違は0.4から0.2ポイントまで半減したものの、ジェンダーギャップは依然として存在している。健康についての男女間の満足度の差も大きい。収入の差、子供の有無による違いはもっと大きい。収入の差による健康についての満足度の違いは0.8ポイントにもなる。「低所得者は高所得者より健康状態が悪く、睡眠不足、休養時間の減少、あるいは家計の状況などから親にかかるストレスが大きいことも研究結果から証明されている。」とエントリンガー氏は語る。
「研究結果によると、満足度の高い人々はよりよい社会的関係を築き、より生産性が高く、より長生きをしている。したがって、この研究結果は政策立案にも関連する。」と研究主任のグレーバー氏(Daniel Graeber)は語る。特に、養育負担の改善、社会給付の申請の簡素化など、支援をより目に見える形にする必要がある。
[DW編集局]