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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2024/09/09
- 抄訳記事公開日:
- 2024/10/15
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「欧州の競争力の将来」:欧州の競争力戦略
The future of European competitiveness – A competitiveness strategy for Europe
- 本文:
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(2024年9月9日付、欧州委員会発表の標記報告書の概要は以下のとおり)
欧州には、競争力の高い経済となる基盤が整っている。しかし、生産性の伸びの鈍化に伴い、EUの成長は鈍化しており、欧州が目標を達成できるかどうかが疑問視されている。同時に、冷戦終結後の欧州の成長を支えた貿易、エネルギー、防衛の3つの外部条件は薄れつつある。この課題に対し、変化し続ける世界において生産性を再活性化させ、成長を持続させるためには、EUの競争力を高めることが必要である。
・欧州が目指す3つの変革
欧州は現在、3つの大きな課題に直面している。その第1はイノベーションを加速し、新たな成長の原動力を見出す必要性である。第2に、欧州は脱炭素化と循環型経済への移行を継続しながら、高騰するエネルギー価格を引き下げる必要がある。第3に、欧州は、他への依存関係で脆弱となり、もはや自国の安全を他国に頼ることができなくなっている地政学的に不安定な世界に対処する必要がある。■ イノベーション・ギャップを埋める
欧州は、研究とイノベーション(R&I)枠組プログラムの弱点を克服することで、画期的なイノベーションの環境を改善する必要がある。同時に、加盟国間の公的R&Iの適切な調整が必要である。また、世界の研究の最前線に欧州の学術機関を設置・統合することも重要である。欧州は「発明家が投資家になる」ことを容易にし、成功したベンチャー企業の規模拡大を促進する必要がある。欧州市場における成長の障壁が取り除き、破壊的イノベーション、新興企業、スケールアップのためのより適切な資金調達環境が必要とされている。
EUは、コンピューティング能力を高め、高性能コンピュータのネットワークを利用できるようにすることで、AI導入コストを下げられるユニークな立場にある。EUは、AIの欧州産業への取り込みを加速するため、セクター間の連携とデータ共有を推進すべきである。米国のプロバイダーが優位に立っている現状を考えると、EUは域内のクラウド産業の振興と、必要な技術へのアクセスの確保の間で妥協点を見出す必要がある。ネット接続への投資率を高めるには、通信セクターの統合を促進する必要がある。R&Iの維持と拡大は、製薬などの主要製造業にとっても極めて重要となる。
スキル格差の解消:
欧州は経済全体でスキル格差に悩まされており、労働力の減少もそれを助長している。欧州におけるスキル不足は、教育や訓練制度の衰退に起因しており、労働力を技術の変化に対応できていない。EUはスキルに対するアプローチを全面的に見直し、より戦略的で未来志向とすることで、新たなスキル不足に重点的に対処すべきである。
■ 脱炭素化と競争力強化に関する共同計画
エネルギー・セクターの重要目標の第1は、脱炭素化の恩恵をエンドユーザに還元することで、エンドユーザのエネルギーコストを下げることである。重要目標の第2は、技術中立的なアプローチを通じて利用可能なすべてのソリューションを活用し、コスト効率の高い方法で脱炭素化を加速することである。そのためには、純粋なエネルギー連合のためのガバナンスを構築し、国境を越えた重要な決定と市場機能を一元的に行う必要がある。
■ セキュリティの強化と他への依存度の軽減
EUは脆弱性を軽減するため、重要資源の確保を基本とする本格的な「対外経済政策」を策定する必要がある。EUはまた、採掘、リサイクル、代替材料のイノベーションを通じて域内資源の潜在力を活用する必要がある。戦略的産業については、EUは域内生産能力を強化し、主要なネットワーク・インフラを保護するための協調的なEU戦略を追求する必要がある。
[DW編集局]