中国財政部は「2024年上半期 中国財政政策執行状況報告」を発表した。DW編集局は、この中から科学技術･イノベーション政策に関する内容を抜粋し、4回に分けて掲載している。3回目は、イノベーション駆動型発展戦略の実施と現代産業システムの構築について紹介する。主な内容は次の通り。

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　科学技術・イノベーション力の向上、デジタル経済と実体経済の融合、現代化産業システムの建設により新質生産力を発展する財政支援策。

(1) 高度な科学技術の自立自強の促進

・2024年の中央政府の科学技術予算は3708億元（前年比10％増）で、このうち基礎研究への支出は980億元（前年比13％増）となっている。

・重点技術に対する十分な資金を確保し、国家重大科学技術プロジェクトを支援している。

・重点実験室の再編、企業の核心競争力向上支援、人材の育成支援、地域イノベーションシステムの建設、科学技術の普及活動と国際交流など戦略的科学技術力を強化している。

(2) 科学技術型中小企業のイノベーション支援

・「国家中小企業発展基金」は357億元に達し、1200社以上の新興中小企業が4800億元以上の資金を調達することを支援した。

・中小企業のリスクを補償する国家融資保証基金の保険割合の上限を40％に、保証額の上限を3000万元に引き上げ、資金の担保が少ない有望なプロジェクトを支援している。

(3) 産業構造の最適化・高度化推進

・「中央製造業プロジェクト資金」は重点産業に焦点を当て、産業機械、計装機器などの産業を支援し、「チョークポイント」となっている課題を解決している。

・製造業の技術改革を進める試行都市（2024年は20都市）を選定し、製造業のスマート化とデジタルおよびネットワークモデル都市を形成する。

・中小企業のDXを進める36都市に1～1.5億元の奨励金を提供し、支援している。

・「主要技術設備およびの新素材使用に対する保険補償政策に関する意見」により、革新的な製品が市場で用いられることを支援する。

（編集部注）1元＝約21円で計算している。

（4回目（最終回）に続く。4回目は10月22日に公開予定です）

[DW編集局]