[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
首相府投資総務庁
元記事公開日:
2024/10/02
抄訳記事公開日:
2024/10/23

「エコシステムの拡張を」 AISなどが5課題を確認

France 2030 : Stratégie « Maladies infectieuses émergentes », trois ans d’actions menées pour être prêt demain

本文:

 医療イノベーション庁(AIS)など計5機関は、フランスの新興感染症などの研究開発について、「エコシステムの拡張」「解決策の安価な提供」など5点を今後解決していくべき課題として確認した。

 フランスでは2021年から、研究開発をテコに産業力の強化やイノベーションの創出を目指す5か年計画「フランス2030」を、首相府投資総務庁が推進。その一環である「医療イノベーション計画2030」(IS2030)として、産学官連携支援、研究拠点整備支援、さらにそうした支援業務に特化したAISの設置などが進められてきた。

 「フランス2030」の始動から3年が経過したことに伴い、AISのほか、国立保健医学研究所付属のファンティング機関である「研究支援機構」の新興感染症部門(ANRS MIES)、国立開発研究所(IRD)、開発農業研究国際協力センター(CIRAD)、国立農学・食料・環境研究所(INRAE)の関係者約250人が9月30日に南部モンペリエに集まり、研究開発上の課題などを討議するシンポジウムを開いた。

 この席上、各機関は今後解決が必要な課題として、次の5点を確認した。

  • 新興感染症(MIE)や核・放射能・生物・化学のリスク(NRBC)対策にかかわる関係機関や企業のエコシステムを拡張すること
  • MIEやNRBC対策の課題に適した解決策を安価で市場に提供できるようにすること
  • 産官学連携を最適化し、受け身ではなく能動的に解決策を探るようにすること
  • 人間と動物双方を融合させた医療を実用的な産業にできるように支援すること
  • フランスの影響力を、欧州全体、ひいては国際規模で高めていくこと

 またフランス政府は「IS2030」の枠組みで、ウイルスのゲノム監視、ワクチン、臨床研究などの状況把握を目的とした専用のプラットフォーム構築も支援しているが、そうしたプラットフォームとして、政府は今年7月に▽「EMERGEN 2.0」(政府支援額1,200万ユーロ)▽「OPEN-ReMIE」(同1,000万ユーロ)▽「I-REIVAC Emergence」(同1,200万ユーロ)▽「OBEPINE+」(同1,000万ユーロ)――の4件を新たに採択。計4,400万ユーロの支援を行う予定であることなども、あわせて明らかにした。

[DW編集局]