[本文]
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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツがん研究センター(DKFZ)
- 元記事公開日:
- 2024/09/05
- 抄訳記事公開日:
- 2024/10/29
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アルコールの飲酒許容最低年齢を18歳以上に引き上げることについて国民の支持が増加
- 本文:
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(2024年9月5日付、ヘルムホルツ協会・ドイツがん研究センター(DKFZ)の標記発表の概要は以下のとおり)
2024年7月「ドイツがん研究センター“Das Deutsche Kerbforschungszentrum”(DKFZ)」は、Kantar社に(2022年と2023以降に)すべてのアルコール飲料の飲酒許容最低年齢を18歳以上とすることについて、住民の意見をモニターするよう依頼した。電話による調査では、約1,000人の代表的なサンプルに対して、アルコールの購入と消費の許容最低年齢を18歳以上にすることの賛否を尋ねた。結果については、調査がドイツ全土を代表するものとなるよう、年齢や性別などの基準に従って補正した。
調査対象者の72%はアルコールの年齢制限を18歳にすることに賛成している。これは、人々の間での高い支持率が、過去数年間でさらに上昇したことを示している。2023年になっても、回答者の63%が飲酒許容最低年齢の引き上げを希望していた。
DKFZは、国民の間で幅広く支持されていることを考え、連邦政府に対し、青少年保護法において、すべてのアルコール飲料の購入と消費の許容最低年齢を18歳と定め、法定後見人の立会いの下でのアルコール消費の許容最低年齢を廃止するよう、ファクトシートで求めている。DKFZの予防専門家であるウーテ・モンス(Ute Mons)氏は次のように述べた:「我々は若者によるアルコール消費の正当性を撤回しなければならない、少量のアルコールでも健康に害を及ぼす、さらに青年期には、アルコールは脳の発達に永続的な影響を及ぼすことから、若者はアルコールを飲むべきではない。」
若者が早くアルコールを飲み始めるほど、依存症になるリスクが高まる。青年期の脳の発達に対するアルコールの悪影響は、精神的能力と行動制御の障害ならびに社会化の障害につながる。さらにがんなどの健康被害のリスクは、消費量の増加と共に増加する。
これらのリスクがあるのにかかわらず、ドイツの12歳から17歳のほぼ3分の1がアルコールを飲んでいる。16歳以上の若者のほぼ10人に1人は、毎日1~2杯以上のアルコール飲料を消費している。
子供や青年をアルコール摂取の健康被害から効果的に保護する必要がある。従って、DKFZは、他の保健団体および市民組織と共に、子供や青少年がアルコールやニコチンの影響を受けずに人格を発達させ、商業的利益の影響を受けない環境で成長出来るよう取り組んでいる。アルコールやニコチン製品の消費のための一律の許容最低年齢を18歳とすることに加えて、現在の子供や若者の生活に溢れているこれらの製品の広告、プロモーションおよびスポンサーシップの包括的な禁止が必要である。
[DW編集局]