[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
議会下院(国民議会)
元記事公開日:
2024/10/23
抄訳記事公開日:
2024/10/29

「凋落のリスクある」 高等教育・研究大臣が議会証言

Commission des affaires culturelles : Projet de loi de finances pour 2025

本文:

 パトリック・エゼル高等教育・研究大臣は23日、来年度の政府予算案を審議中の議会下院(国民議会)文化委員会に出席し、「(フランスが)科学面において凋落していくリスクは現実のものとしてある」などと証言した。政府の財政難が年々深刻化して研究開発投資の先行きが危ぶまれるなか、所管省として、安定的に投資を行う必要性を議員らに強く訴えた形だ。

 エゼル氏はまず「わが国の国際競争力を高めるためには、科学研究のキャリアの魅力を高め、官民を問わず研究への投資を増やしていかねばならない」などと現状の認識を述べた。

 次いで、政府が複数年研究計画法(中期研究計画)の一環として強化を図っている研究費税額控除制度(CIR)の収支について質問したアレクシス・コルビエール議員(左派連合、首都圏セーヌ=サン=ドニ県第7小選挙区選出)に対し、エゼル氏は「CIRはわが国の研究開発の推進に不可欠な制度であり、(評価機関である)会計検査院による評価でも効果は明らかだ。1ユーロ控除すれば、少なくとも1ユーロ以上の追加投資を行ったことになる」として、CIRの必要性を訴えた。

 そのうえでエゼル氏は隣国ドイツを引き合いに出し、「ドイツでは研究開発投資が国内総生産(GDP)の3.1%に達しているが、わが国では2.2%しかない」と指摘。「このまま手をこまねいていてはならない。EUの財源も探しにいかねばならない。何より民間セクターが参画・協力できる研究協約を定着させねばならないと思っている」などと述べた。

[DW編集局]