[本文]
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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究省
- 元記事公開日:
- 2024/10/10
- 抄訳記事公開日:
- 2024/11/05
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2025年LPR当初予算案は268億ユーロ 議会審議へ
- 本文:
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高等教育・研究省(MESR)は10月10日、複数年研究計画法(中期研究計画、LPR)の適用対象の研究開発予算について、総額約268億ユーロとなる来年2025年の当初予算案を発表した。前年の当初額(267億0,882万ユーロ)と比べてわずか約1億ユーロ、率にしてわずか0.3%の増加にとどまっている。政府は上下両院の審議にかけ、12月末の可決・成立を目指す。
LPRの適用対象となる予算枠は、主要経費「研究・高等教育費」を構成する目的別経費(プログラム)のうち、▽プログラム第150号(大学などへの基盤的支援をメインとする「高等教育および大学研究」)、▽同第172号(公的研究機関などへの基盤的支援や国立研究機構(ANR)を通じて配分する競争的資金を含む「科学および領域横断的な技術の研究」)、▽同第231号(学生支援をメインとする「学生生活」)――の3種類である。いずれもMESRが所管している。
今回の当初予算案約268億ユーロの内訳は、▽第150号が約153億ユーロ(24年政府当初予算151億8,078万)、▽第172号が約83億ユーロ(同82億0,140万)、▽第231号が約32億ユーロ(同33億2,664万ユーロ)――となっている。
LPRは、2021年から30年までの10年間は毎年研究開発予算の積み増しを続け、その積み増す額の合計を約250億ユーロとする目標を掲げた中期計画である。「研究職のキャリアの魅力を向上させるとともに、研究への投資を強化する」「高等教育機関の学生のキャリア形成を政策を通じて改善する」「高等教育機関のパフォーマンスを、国との契約(経営計画)を通じて高める」「各高等教育・研究機関の不動産資産の推移をフォローアップする」――ことなどを目標としている。20年12月に法律として国会で可決・成立しているものの、記された額はあくまで努力目標であり、予算審議は毎年行っている。ただし折からの財政難により、近年は当初の目標通りに増額できるかどうかが不安視されている。
9月に就任し、初めて予算審議に臨むパトリック・エゼル高等教育・研究大臣は「今回の2025年予算案は、将来の研究開発に備えるとともに、政府支出を少しでも抑えるという、二つの命題に応えている。だが優先すべき課題を先送りすることはない。LPRの本旨は堅持し続け、次の年も予算は増やしていく」とコメントしている。
[DW編集局]