[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ユーリッヒ研究センター(FZJ)
元記事公開日:
2024/10/17
抄訳記事公開日:
2024/11/19

DeCarTransプロジェクトが「Innovator of the Year」として表彰

Projekt DeCarTrans als “Innovator des Jahres” ausgezeichnet

本文:

(2024年10月17日付、ユーリッヒ研究センター(FZJ)の標記発表の概要は以下のとおり)

ユーリッヒ研究センターが参加するDeCarTransプロジェクトが、Innovator of the Year賞をドイツ語圏経済界の主要カテゴリーである「自動車」部門において受賞した。この学際的プロジェクトにおいて、合成ガソリン製造の開発が進行している。授賞式は11月15日にベルリンで行われる。

DeCarTransプロジェクトでは6つのパートナーがコンソーシアムを組み、再生可能原料から生成されたメタノールを合成ガソリンに転換する過程(メタノール・ガソリン・プロセス)の最適化を目的としている。コンソーシアムではプロジェクト期間内に、再生可能燃料が産業規模で製造可能であり、運輸部門における二酸化炭素の排出量減少につながることを示したいと考えている。産業界と研究機関のパートナーはそれぞれの専門知識を提供する。

化学工業施設建設業のCACエンジニアリングが転換過程の技術面からの最適化を行い、フライブルク・ベルクアカデミー工科大学が大規模実証施設で再生可能燃料の生産を行う一方、Coryton社(原料提供社)とLother社(エネルギー供給社)は現行基準に適合するように原料ガソリンの精製を行う。エンジニアリング・サービスプロバイダーのドイツFEVがプロジェクト全体の調整を行い、事業のスムースな進行にあたっている。

ユーリッヒ研究所の電気化学プロセス技術研究所では、燃料合成化学部門が実験によるデータに基づき詳細な反応モデルを開発している。このモデルにより研究者はこの転換過程の温度、圧力、流量を自由に変化させつつ、コンピュータによりメタノールが合成ガソリンに変換される化学プロセスをシミュレーションすることができ、技術実装コストの大幅低減につながる。

合成燃料は化石燃料に代わる気候に優しい代替燃料を提供するもので、既存のインフラへの根本的な変更を行うことなく内燃エンジンに使用することができる。これは、例えば重量物の輸送など、電気駆動への変更が困難な分野での排出削減にもつながり、長期的な排出削減目標の実現にも寄与する。

本プロジェクトは2023年1月1日に開始され、2026年12月31日まで継続する。連邦デジタル・交通省(BMDV)の「再生可能燃料開発」助成イニシアチブにより支援されている。

[DW編集局]