[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2024/10/22
抄訳記事公開日:
2024/11/25

欧州研究圏の可能性を最大限に高める方法

How best to boost the potential of the European Research Area

本文:

(2024年10月22日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州研究圏(ERA)は、欧州の研究環境の断片化に対処するため、欧州全域の研究者やイノベーターにとってダイナミックで魅力的な環境の創出に取り組んでいる。最近のEU発表によると、EUは同地域をより魅力的で効率的かつ統合的なものにするために大きな進歩を遂げたが、同地域の可能性をさらに高める余地がある。

今回の発表では、今後の施策が必要となる次の4つの領域が特定されている。

・投資と改革の優先
EUはEU諸国と協力して研究とイノベーションの取り組みを調整し、改革と投資を支援している。しかし、EUのGDPの3%を研究開発に投資するという目標の達成には、まだ程遠い。投資家やイノベーターをさらに引き寄せるためには、民間投資に対する規制、法律、行政上の障壁を減らすためのさらなる取り組みが必要である。

・卓越した研究へのアクセスの改善
EUのHorizon Europeプログラムとモビリティの各制度の下で提供される支援は、科学協力ネットワークの強化に役立っている。また、実績が劣るEU諸国における研究やイノベーション能力の強化を支援するために10億ユーロ以上を投資した。ただし、官僚主義の弊害を減らし、研究者に利用可能な機会に関する適切な情報を提供するには、さらなる取り組みが必要である。

・成果を経済効果に変える
ERAは、研究成果の経済的活用や技術ロードマップのための的を絞ったガイダンスの策定をEU諸国とともに支援してきた。しかし、画期的なイノベーションの実現には、欧州でさらに多くのベンチャーキャピタルが必要である。

・ERAの深化
ERAは研究者の労働条件の改善とキャリア開発において大きな進歩をもたらしたが、まだできることが多く残っている。欧州の価値観に沿って、Horizon Europeは、男女平等と研究の公正性、オープンサイエンス、データ共有の取り組みをさらに推進する先導役を務めてきた。しかし、EU全体に依然として残るキャリア開発機会の格差に対処し、欧州の研究および技術インフラの長期的な持続可能性とアクセス性を確保するためには、さらなる努力が必要である。

[DW編集局]