[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
科学・イノベーション・技術省(DSIT)
元記事公開日:
2024/10/31
抄訳記事公開日:
2024/12/04

政府秋季予算案:204億ポンドの記録的投資により英国の研究開発を支援

Government backs UK R&D with record £20.4 billion investment at Autumn Budget

本文:

(2024年10月31日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)とPeter Kyle大臣による標記発表の概要は以下のとおり)

財務大臣は10月30日、来年度の研究開発への政府投資額として過去最高となる204億ポンドを投資すると発表した。経済成長を促進し、5つの国家ミッション[編集局注:労働党政権が掲げる①経済成長、②クリーンエネルギー大国化、③NHS改革、④治安の強化、⑤機会の平等]達成に向け、英国の研究開発エコシステムを支援するという政府公約を強化する。
この予算で英国によるHorizon Europeとの提携に全面的な資金提供を行うことにより、EUのファンディング制度下で800億ポンド以上が英国の研究者に利用可能となる。DSITの研究開発予算は139億ポンドへと増加され、中核研究への投資も過去最高の61億ポンドに達し、英国の主要な研究基盤が強化される。
この予算の主要な部分は、「ライフサイエンス・イノベーション製造基金」への拠出金を通じて、英国を科学・イノベーションのリーダーとして位置付ける基礎である、ライフサイエンス・セクターに充てられる。

◼️ ライフサイエンス・イノベーション製造基金
財務大臣は、英国全土における主要なライフサイエンス製造投資を確保するため、当該基金における、最大5億2,000万ポンドを拠出する長期的取り組みを発表した。この取り組みは、まずは7,000万ポンドの研究助成から開始される。

◼️ R&Dミッション・プログラム
医療の向上や、よりクリーンなエネルギーへの移行など、国家ミッションが直面する特定の課題に対処する新規プログラム「R&Dミッション・プログラム」を立ち上げ、当初2,500万ポンドを投資する。

◼️ スピンアウト・レビュー・概念実証基金(Spin-Out Review Proof of Concept Fund)
英国の成長ミッションの支援を目的として、先駆的な大学の研究を企業化するために、概念実証を行うための基金に5年間で4,000万ポンドを投資する。

◼️ イノベーション・アクセラレーターおよびMade Smarter Innovationプログラム
政府は、英国の各地域と製造業全体でイノベーションを促進する2つの主要プログラムをさらに1年間延長した。イノベーション・アクセラレーター・プログラムは、グラスゴー都市圏、グレーター マンチェスター、ウェスト・ミッドランズ、の3つの潜在力の高いクラスターに焦点を当ててきたもので、さらに1年間継続される。一方、Made Smarter Innovationプログラムは引き続き最大3,700万ポンドの資金提供を受け、デジタルソリューション・プロバイダと産業界を結び付けることで、製造業におけるデジタル技術導入による生産性・持続可能性の向上が支援される。

◼️ ギガビット・プロジェクト(Project Gigabit)
政府は今後1年間で少なくとも5億ポンドをギガビット・プロジェクトと共用ルーラル・ネットワーク(Shared Rural Network)に投資し、英国内のサービスが行き届いていない地域へのデジタルインフラの展開を加速させる。

◼️ 共用サービス戦略(Shared Services Strategy)
DSITは、政府9省庁に跨る業務機能を強化するため、最大8,000万ポンドを投資し、納税者によりよい価値をもたらせるよう共用サービスの変革を目指す。

また政府は、産業戦略における高成長セクターに焦点を当てた、変革的技術の導入に対する障壁を特定するための調査を開始し、これにより生産性の向上と成長の促進による英国経済の活性化を目指す。

[DW編集局]