[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
政府説明責任局(GAO)
元記事公開日:
2024/11/13
抄訳記事公開日:
2024/12/09

GAOが3つの新興技術領域での将来のトレンドを予測する報告書を公表

On the Horizon: Three Science and Technology Trends that Could Affect Society

本文:

(2024年11月13日付、政府説明責任局(GAO)の標記発表の概要は以下のとおり)

科学技術は常に進化しており、米国民の生活に大きな影響を及ぼしうる劇的な変化に備えるため、将来の新たなトレンドの分析が必要とされている。このためGAOは、重大な影響を与える可能性のある技術開発の見通しとして、およそ10年先の技術に焦点を当てた報告書を作成した。

本報告書で、GAOは、これらの技術の発展と、様々な要素によって、それらがどのような影響を受ける可能性があるかを概説している。これらの情報は、立法機関、行政機関、その他の政策立案者が検討するのに有用と思われる。

本報告書の作成にあたり、GAOは学術誌等の科学文献のレビューをもとに、対象の3技術領域の5人の専門家に半構造化インタビューを実施した。

本報告書で対象とした3つの新興技術と求められる政策は次のとおりである。

① 病気の治療や予防を改善が期待できる「遺伝子編集」: 遺伝子編集の発展は、倫理的な懸念により、制限される可能性がある。また、患者一人あたり200万ドルを超える高額な費用の問題もある。政策立案者は、現在の連邦政府の資金規制が将来の遺伝子編集研究にどのような影響を与えるかを検討すべきである。
② 高品質な半導体材料のより効率的な生産を可能にする「宇宙での製造」:微小重力、自然真空、汚染の少なさといった宇宙独特の条件により、地上で製造されるものよりも欠陥が少なく、純度の高い半導体結晶を製造できる可能性がある。本技術には、原材料のサプライチェーンの確保や、製造の場として必要な宇宙船の安全確保などが求められる。政策立案者は、投資、開発、知的財産権保護のための包括的なライセンス供与の枠組みが、こうした技術の開発に有益か検討すべきである。
③ 汚染削減に役立つ可能性がある「生分解性バイオプラスチック」:藻類をベースとしたバイオプラスチックや自己生分解性バイオプラスチックなどがマイクロプラスチック汚染の削減に役立つ可能性がある。この技術の影響として、生分解による二酸化炭素排出や消費者が環境に優しい選択をするための複雑さの増加が挙げられる。政策立案者は、本技術の表示の明確化や、消費者教育の強化を検討すべきである。

[DW編集局]