[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
首相府
元記事公開日:
2024/11/21
抄訳記事公開日:
2024/12/17

首相、地域発の簡素化イニシアチブ「フランス・サンプリフィカシオン」を発表

Le Premier ministre lance France Simplification : un nouveau dispositif de simplification qui part du terrain

本文:

(2024年11月21日付、首相府による標記発表の概要は以下のとおり)

ミシェル・バルニエ首相(当時)は11月21日、第106回フランス市長および共同体議長会議において、地方自治行政の煩雑な事務負担の簡素化を目指す新たな構想「フランス・サンプリフィカシオン(France Simplification)」の立ち上げを発表した。首相の下で省庁間公共事業変革局(DITP)が運営する。

これにより、知事の特例的な権限を強化して地域で発生する諸問題を現実的に解決するため、地方自治体、政府関係部局、事業者等が知事に具体的解決策を頼れるようにする。知事がその権限内で解決できない場合、知事は「フランス・サンプリフィカシオン」に問題を相談することができ、「フランス・サンプリフィカシオン」は2ヶ月以内に回答を出さなければならない。

「フランス・サンプリフィカシオン」は、ユーザー、代理者、執行者ともに生活を簡素化し、地域プロジェクトにおける様々な障壁を除去し、地方分権を強化するという3つの課題に対応する。

「フランス・サンプリフィカシオン」では、DITPが知事からの依頼案件を順次に審査し、関係部局間で合意できない場合に首相府に委ねる。簡素化にあたって遅延または障壁があるプロジェクトに対して、知事のみが案件を再依頼する権限を有している。案件の内容は、法律または規則、通達の改正という基準の簡素化、命令書による規格解釈の確認、法的な障害ではない慣行の変更、実験的試みの開始、最も複雑な問題に対して行われる内部検査または助言の開始に関わる。バルニエ首相は、2024年10月28日付通達でこの例外的な措置を活用し、地域の課題への迅速な対応を呼びかけている。

「フランス・サンプリフィカシオン」はすでに250件以上の依頼を受け、50件以上を解決しており、その大半はエコロジー転換(41%)、都市計画と地域開発(11%)に関わるものである。さらに93%の案件が法的な改正、即ち規則や法令の改正を求めている。主なプロジェクトは以下のとおり。

▽集団的自家消費の枠組みの構築(シャラント・マリティーム県):単一高圧線への依存が原因で脆弱となったオレロン島のエネルギー・レジリエンスを集団的自家消費によって強化する。共同体が担うプロジェクトでは基準上、地理的に20kmの近接にあり、かつ最大電力3MWでなければ許可されなかったが、政府が、エネルギー・気候総局に集団的自家消費に関する規則の改正を要請し、地域の実情を最大限に考慮した裁量権を知事に付与した。

▽政府部門による中古車購入の促進(ドローム県):コスト削減のために中古車を利用するプロジェクトでは、県の部局の購入や再販(特に中古車)に制限があったが、政府が、県購買局に管理原則の改訂を要請し、政府部門による中古車購入が促進され、大幅な国費削減が可能となった。

▽自立的生活のための補助器具の短期間での修理と再販(クルーズ県):車椅子、医療用ベッド、大きなプッシュボタン付き電話、シャワーチェア等の補助器具を修理、再販するプロジェクトでは、現行規則上はこれらの中古品は疾病保険から補償を受けることができないが、政府は、2025年第一四半期に関係規制を改正して、認められることになる。

▽廃墟となった歴史的建物の修復(アルプ・ド・オート・プロヴァンス県):酷く傷み、かつ遺跡と言ってもよい廃墟や建築的価値のある建物(製粉所、納屋、羊小屋)を修復するプロジェクトでは、修復の認可に必要な十分な残存物がある建物と遺跡との間の区分を正確に判定する文書がないという問題がある。政府は、住宅・都市再生省に2025年までに都市計画法の改正の準備、条文案の作成を要請した。

[DW編集局]