[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究省(MESR)
元記事公開日:
2024/11/22
抄訳記事公開日:
2024/12/20

「PEPR Cell-ID」を立ち上げ

Patrick Hetzel lance le Programme et Équipement Prioritaire de Recherche (PEPR) Identités et destins Cellulaires (Cell-ID)

本文:

(2024年11月22日付、高等教育・研究省(MESR)の標記発表の概要は以下のとおり)

パトリック・エゼルMESR大臣は11月22日、キュリー研究所において、神経発達と特定の小児脳腫瘍の発症について理解を深めることを目的とした「優先研究プログラム」(PEPR)である細胞同定・運命(Cellular Identities and Destinies:PEPR Cell-ID)の立ち上げに立ち会った。

このプログラムは、5か年投融資計画「フランス2030」により資金が提供されており、国立科学研究センター(CNRS)と国立保健医学研究所(INSERM)が参画。小児神経がんに関する知識を深め、脳細胞が当初目的から逸脱し重大な病状を引き起こす様相に関する知識を向上させることを目的としている。

このプログラムには、腫瘍の初期の分子的特徴を特定してがんを早期に診断し、病気の進行をより確実に予測し、そして新しい治療法を開発するための治療目標を特定するという3つの狙いがある。この研究には、生物学、物理学、コンピューターサイエンス、数学、化学、医学の最先端の専門知識を組み合わせた30以上のチームが参加し、人工知能の開発が研究と医療にもたらす新しいツールを動員する。

PEPRとは、優先的な科学分野における基礎研究を支援し、技術、経済、社会、健康、または環境の転換をもたらすものであり、フランス2030の一環として策定されたPEPRには国が総額で30億ユーロを投資し、PEPR Cell-ID自体には、7年間で5,000万ユーロの資金が投入される。

PEPR Cell-IDは、PEPRに2種類あるカテゴリーのうち、未開拓の領域を対象とする「探索的PEPR」に属している。参画研究機関の提案にもとづいて、大きな転換をもたらす可能性のある新興セクターにおける研究プログラムを開始することを目指す。このアプローチは、特定の製品、サービス、用途、およびプレーヤーですでに進行中の転換を支援するため、国家加速戦略に基づく「加速」PEPRを補完するものである。

2021年以降、戦略的分野と探索的分野における研究とイノベーションの能力を強化するために、合計48のPEPRが立ち上げられた。

エゼル大臣は、PEPR Cell-IDは科学的エクセレンスを国の栄光、国民、公益に役立てるというMESRの価値観を体現しており、このプログラムが示す一貫性ある投資、この事業における縦割りの解消と研究におけるリスク文化は、研究協約の枠組みで伸ばしていきたいやり方である、と表明した。

[DW編集局]