[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
会計検査院
元記事公開日:
2024/11/28
抄訳記事公開日:
2024/12/23

10年間のPIA投資は「貧弱」 フランス2030にも「再検討」提言 会計検査院

10 ans de politiques publiques en faveur de l’industrie : des résultats encore fragiles

本文:

 会計検査院は11月28日、国の技術強化とイノベーション創出を目的に政府が2010~21年に行っていた「未来投資プログラム」(PIA)について「成果が貧弱だ」などとする報告書を公表した。またPIAを発展的に継承している現在の5か年投融資計画「フランス2030」についても、同院は優先事項の見直しや支援の停止などを提言した。政府の今後の対応が注目される。

 同院は報告書のなかで、PIAについて「重点投資すべき対象を適切に絞っていなかったうえ、投資方法も不十分だった。その結果、産業力強化にもたらしたインパクトは限定的だった」とし、「10年間も投資した割に成果が貧弱だ」と批判。そしてそのことが、2021年に始まった「フランス2030」が、基金運用や融資などではなく「補助金形式での支援に偏る」要因になっている、とも指摘した。

 それを踏まえて同院は今後の「フランス2030」のあり方について、「(重点投資対象として掲げている)優先順位を再検討するとともに、2025年以降は必要に応じて一定数のプロジェクトについて支援を止めたり再検討したりすべきだ」(提言第6項)としたほか、「回収可能な形式での投資を優先し、渡しきりの補助金に頼る支援はできるだけ抑えるべきだ」(同第7項)などとした。

 そのほか、同院は「製造業に好ましくない法人税の算出方法を見直すべき」(同第1項)、「国が出資することで直接的または間接的に持っている債権の長期化のあり方を2025年に定義し、製造業企業が負うリスクの全体像を把握すべき」(同第3項)、「欧州全体で支援されているプロジェクトを、わが国の産業強化の戦略において優先すべき」(同第8項)、「マクロ、ミクロ両経済学の指標を総合的に用い、産業の消失や国際的な懸案も考慮しながら、2026年までにわが国の産業強化の戦略のインパクトを算出すべき」(同第9項)――など9項目を提言した。

[DW編集局]