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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2024/11/29
- 抄訳記事公開日:
- 2024/12/25
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2024年教育・研修動向調査報告
- 本文:
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(2024年11月29日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)
本日、欧州委員会はEU 諸国の教育と職業研修における EU レベルの目標達成に向けた進捗状況に関する欧州委員会の年次レポートである「2024年教育・研修動向調査報告(The Education and Training Monitor)」を発表した。報告書は、比較レポート、27か国のレポート、および主要な指標とデータを含むオンライン・モニターツールボックスで構成されており、2020年度版は持続可能性のための学習に重点を置いている。
標記報告書の第5章「高等教育」に関する記述を抜粋要約して以下に記す。
■ 高等教育修了の状況
EUレベルの2025年目標では、①2030年までに、25~34歳の高等教育修了者の割合を少なくとも45%にする必要がある、②2030年までに少なくとも2,000万人がICT専門家として雇用される必要がある、としている。
過去10年間、EU全体で高等教育は継続的に拡大してきた。2023年の25~34歳の高等教育達成率は43.1%で、前年より1.1ポイント上昇した。EU全体ではプラスの傾向だが、2022年から2023年にかけて14カ国で減少が見られた。
2014年以降の長期的な傾向を見ると、ほぼすべての国で増加しており、EUレベルでは7.2ポイント以上増加している。例外はルーマニア、ハンガリー、フィンランドで、2014年から2023年にかけて減少がみられる。
また高等教育の達成度は各国で大きく異なり、地域差が顕著である。このため、地域間で高度な資格を持つ人材の供給に不均衡が生じ、経済的、社会的、地域的な結束が損なわれている。同様に、高等教育の学位を持つ人の割合は、都市部(53.3%)に比べて農村部(31.7%)で少ない。
コンピュータ・情報リテラシーは、ほとんどの高等教育(データ管理やAIの応用など)の一部であるが、EU諸国全体でデジタル専門家の不足が特に深刻である。これにより、新興主要技術の開発、導入、使用が妨げられる可能性がある。
■ 高等教育における学習モビリティ
EUレベルの2030年目標では、国外で学んだ経験を持つ高等教育修了者の割合は、2030年までに少なくとも23%になるべきである、としている。
高等教育における学習モビリティの全体像は、データの制限により依然として不明瞭である。2022年には、EU諸国で高等教育を受けた者の10.9%が国外での学習を経験した。修了者の国外への移動率は、2030年に設定された23%の目標を大きく下回っているようである。このうち、高等学校の卒業証書を取得した国以外の国で高等教育を修了した(学位モビリティとよばれる)のはわずか4.2%で、国外に短期間滞在した(単位モビリティと呼ばれる)のは6.7%であった。
[DW編集局]