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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2024/12/09
- 抄訳記事公開日:
- 2025/01/10
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太陽放射改変技術は気候変動に完全には対応できず、効果に関する責任ある研究が必要
- 本文:
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(2024年12月9日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)
パリ気候目標の達成がますます困難になる中、太陽光を地球から反射させることで温暖化を抑える技術が提案されている。「太陽放射改変(SRM)」として知られるこれらの技術は、一部の分野で注目を集めており、モデル化により、それらのいくつかは、地球温暖化のさらなる進行を防ぎ、異常気象や海面上昇といった影響を一部軽減する可能性があることが示唆されている。
しかし、科学的助言メカニズム(SAM)と欧州倫理グループ(EGE)の専門家によると、これらの技術はまだ準備が整っておらず、いずれにしても排出量削減の代替にはならないという。両グループは欧州委員会に対し、排出量を削減し、避けられない変化に適応するという気候政策の主要目標を維持しなければならないと警告している。両グループはさらなる研究を推奨し、その間に太陽放射技術の使用をEU全体で一時停止するよう勧告している。
証拠に基づき、首席科学顧問グループと欧州倫理グループは欧州委員会に以下の勧告を行った。
温室効果ガスの排出削減と気候変動への適応を最優先事項として引き続き注力する。
太陽放射改変技術の使用について、欧州全体で一時停止することを発表する。
太陽放射改変技術の導入に関する今後の決定について、それが基本的権利と価値観に合致していることを確認しながら、世界的ガバナンス・システムの交渉を行う。現在の知識の状況を考慮すると、世界的交渉におけるEUの立場は、この技術を導入しないことであるべきである。
気候変動との闘いについて、広範かつ包括的な公開討論を行い、市民がさまざまなアプローチについて学び、議論できるようにする。
太陽放射技術に関する研究が、厳密かつ倫理的で、不確実性を明確にして行われ、直接的・間接的影響、ガバナンス、正義の問題全般について批判的に検討されることを確保する。
リスクと潜在的な機会に関する証拠を 5 年から 10 年ごとに再評価する。 [DW編集局]