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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州エネルギー規制機関間協力庁(ACER)
- 元記事公開日:
- 2024/12/16
- 抄訳記事公開日:
- 2025/01/21
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ACERの監視報告書:脱炭素化、競争力強化、供給の安全確保に向けて
- 本文:
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(2024年12月16日付、欧州エネルギー規制機関間協力庁(ACER)の標記発表の概要は以下のとおり)
ACERはこのほど、電力インフラと電力供給の安全確保に関する監視報告書(Monitoring Reports)をそれぞれ発表した。これらの報告書による調査結果は次のとおり。
・クリーンエネルギーへの移行には大きなリスクが伴う
電力網の容量に対する需要への対処に失敗し、供給サービスの安全性を確保するために、容量リソース(発電機やストレージユニット等)に補助金を支払うために加盟国が導入した一時的な措置である容量メカニズムによる化石燃料発電事業者への支援を継続することは、エネルギー転換を遅らせるリスクがある。電力網の整備を加速し、既存の電力網の容量を増やすことは、脱炭素化を実現する上で大きな役割を果たす。・システムコスト(電力コストの主な要因の1つ)を抑制することがEUの競争力の鍵となる
システムコストとは、エネルギーコスト以外に発生する費用を指す。これらには、電力網関連のコスト、各国の容量メカニズムなどの支援制度に関連する費用や、その他の関連支出が含まれており、合計するとかなりの額になる。ACERはコスト上昇を抑制する必要性を指摘、ちなみに2023年には容量メカニズムのコストが40%増加した。多くの場合、既存の電力網の容量を増やす方が、新しい送電線を敷設するよりも安価な代替手段になる可能性があると指摘している。・インフラ計画と資源適正化の枠組みの実施は進んでいるが、さらに多くのことが早急に必要である
■ ACERの提言
・効率を優先する。
・供給の安全確保とインフラ計画の枠組みをさらに実装し、改善する。
・加盟国間のより協調的なアプローチを促進し、供給の安全確保にかかるコストを下げ、地域インフラへの費用対効率の高い投資を加速する。
・すべての電力網における投資を注意深く監視し、電力網開発がエネルギー移行とどのように一致しているかを追跡する。 [DW編集局]