（2024年12月16日付、欧州理事会の標記発表の概要は以下のとおり）

欧州理事会はこのほど、地球内部の自然熱から生成されるエネルギーである地熱エネルギーの促進に関する決議を承認した。これは、地熱エネルギーが地域の再生可能エネルギー源として潜在的可能性を有することを強調している。

地熱エネルギーは、安価で安全な暖房や冷房に利用でき、電力の安定供給も可能となる。したがって、建物のエネルギー消費を脱炭素化し、産業の競争力と持続可能性を高めることができる。

同理事会は、高額な初期投資コストに対処するための資金調達の簡略化、地熱セクターの労働力の増強、地熱エネルギー研究における連携の強化など、地熱エネルギーの促進策を提案または採択することにより、地熱エネルギーのより迅速な導入を求めている。

同理事会は決議の中で、欧州委員会（EC）に対し、暖房と冷房の脱炭素化に関する包括的な戦略を策定するよう求めている。この戦略には、地熱エネルギーの導入を加速するための具体的な措置を盛り込んだ欧州地熱行動計画が伴うべきである。

また加盟国に対し、地熱エネルギーを容易に利用できるようにするために、規則を簡素化し、認可の迅速化を求めている。加盟国に提案されている措置の一つは、地下の化石燃料施設を地熱エネルギー用に再改造するプロジェクトを促進することである。公正な移行の目標に沿って、新興の地熱産業のための熟練した労働力を育成するための専用の再訓練プログラムを設立することができる。

資金面では、理事会は加盟国に対し、高額な初期費用に直面する業界が掘削や探査に関連するリスクに対処できるよう支援するために、資金調達へのアクセスを容易にし、インセンティブを充実させるとともに、地域暖房ネットワークなどの地熱インフラ関連の建設を促進するよう求めている。

[DW編集局]