[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/01/16
抄訳記事公開日:
2025/02/05

社会横断的なアプローチでマイクロプラスチック汚染に取り組む

Tackling microplastic pollution with a cross-society approach

本文:

(2025年1月16日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

プラスチック製品に依存していることと、プラスチック製品が環境中に長期にわたって存在し、小さな破片に分解されることと相まって、マイクロプラスチック汚染が世界規模でどこにでもある問題となっている。
マイクロプラスチックの管理は複雑である。マイクロプラスチックは物理的、化学的構造が多様で、環境への影響経路も多岐にわたり、プラスチックのリサイクルにおいて特定の物質を分離することは困難である。マイクロプラスチックを識別し定量化するための分析ツールの不足や、マイクロプラスチックに関する市民の理解や行動の変化に関する研究の不足も課題を増大させている。

最近の調査に当たった研究者によると、この複雑さを解決するには、学際的な手法を結集して、社会の複数のグループ、つまり「ヘリックス」を巻き込む統合的なアプローチが必要だという。研究者らは、この複雑さを管理するために五重らせんヘリックス(5つのヘリックスで構成される社会やアカデミア間の相互作用と知識の交換を重視したイノベーションモデル)枠組みの活用を提案している。

2010年に初めて導入された五重らせんヘリックス枠組みアプローチでは、環境を受動的な要素ではなく、利害関係者として位置付けている。したがって、環境問題に取り組む上での生態学の積極的な役割を強調している。

5つの主要な利害関係者(学術界、政府、産業界、市民社会、環境)を動的かつインタラクティブなものとして概念化し、知識の共同生産と交換に重点を置いている。目的は、利害関係者の賛同を得られる総合的な解決策で、マイクロプラスチック問題の多面的な性質に対処する政策を策定することである。

[DW編集局]