[本文]
-
- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- マックスプランク協会(MPG)
- 元記事公開日:
- 2025/01/21
- 抄訳記事公開日:
- 2025/02/17
-
AI : リスクを最小限に抑えてチャンスを活かす
Künstliche Intelligenz – Chancen ergreifen, Risiken minimieren
- 本文:
-
(2025年1月21日付、マックスプランク協会(MPG)の標記発表の概要は以下のとおり)
「人工知能(AI)の責任ある研究開発」に関するガイドラインがMPGの評議会で決定された。
現在、AI研究の多くが大学の研究室ではなく、民間企業の研究室で非公開で行われているという事実が、2024年9月のネイチャー誌で批判された。最大かつ最強のAIモデルは、現在96%が産業界にある。従って、最大の懸念事項は、企業が利益に焦点を当てざるを得ず、開発したいAI製品の種類だけではなく、研究課題の選定にも影響を与えることである。
公共の利益に役立てるためにも、AIの学術研究は非常に重要となる。すなわち、気候変動、生物医学、社会科学の問題など、人々が直面している重要課題に的確に焦点を当てたAIアプリケーションの研究が明らかに不足している。
MPGの「AIと研究」に関する2日間のシンポジウムのトピックは、脳研究や精神医学におけるAIの研究から、天体物理学、地球科学、社会科学の分野の応用まで多岐にわたった。様々なパネルディスカッションの主題となったのは、MPGにおけるAI研究の手法、学際的な協力、そしてMPGが科学および科学支援の両方でAIをより効率的に使用できるようにする戦略であった。
今回のシンポジウムは、MPGにおけるより包括的なAIイニシアチブの序章となるものである。MPGの評議会は、2024年11月に「AIの責任ある研究開発」に関するガイドラインを採択している。科学的な目的のみで開発されたAIシステムは、欧州AI法の規則から免除されているが、科学においても倫理的および職業上の専門的な基準が遵守されることが期待されている。
現在公開されているガイドラインは、研究者と共同で作成されたもので、MPGの既存の方針を補完するものである。これらには、行動規範、適切な科学的実施規則、および研究の自由と研究リスクに対する責任ある対処法に関する注記と規則などが含まれている。
[DW編集局]