[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
原子力・代替エネルギー庁(CEA)
元記事公開日:
2025/01/28
抄訳記事公開日:
2025/02/21

CEAと3SUN、太陽電池の発電効率で新記録を達成

Le CEA et 3SUN battent un nouveau record de rendement d’une cellule photovoltaïque

本文:

(2025年1月28日付、原子力・代替エネルギー庁(CEA)の標記発表の概要は、以下のとおり)

CEA、およびイタリア発祥のエレクトロニクス企業「3SUN Gigafactory」は、ペロブスカイト・シリコンのタンデム型太陽電池技術の共同開発プログラムにおいて30.8%という発電効率の新記録を打ち立て、新たな足跡を残した。この電池は、国立太陽エネルギー研究所(INES)のキャンパスにあるCEAの研究所で開発された。シチリア島に拠点を置く同社は、高性能ヘテロ接合のシリコン太陽光発電パネルを生産する欧州で最大のギガファクトリーである。

この記録を達成するにあたり、CEAと3SUNが使用したタンデム・アーキテクチャにより、現在太陽光発電ギガファクトリーで生産されている従来のシリコン技術の理論上の効率上限である約29%を超えることが可能になった。

さらに、ほとんどの国際記録は1平方センチメートル角の表面積で達成されているが、CEAと3SUNは9平方センチメートル角のセルでこの性能を生み出しており、産業規模への移行を容易にするはずである。

この成功は、ペロブスカイト・シリコンのタンデム型太陽電池の高い可能性を示唆しており、現在使われている従来のシリコン技術に対して、信頼できる後継技術として位置付けられている。タンデム型太陽電池のペロブスカイト部分は、紫外線の範囲あるいは可視スペクトルの一部の高エネルギー光子をよりよく吸収することにより、光の捕捉を増大させ、この技術が持つ効率としての可能性を高めている。

CEAと3SUNのチームは、このタイプのセルの効率を2024年1月の28.4%から2025年1月の30.8%へと、1年間で2.4ポイント向上させた。この目覚ましい成果に基づいてCEAと3SUNは研究プログラムを2025年以降も継続し、大量生産に向けた最後の障壁、特により大きなセルへの移行とその寿命の改善に取り組む予定である。

太陽電池の効率を向上させること、つまり、受け取った太陽エネルギーを電気に変換する能力を最大化することは、この業界にとっては大きな課題である。このタンデム型技術の可能性を最大限に示すために、現在のソーラーフィールドで使われている従来の技術(約25/26%の効率のセル)を、30/31%の効率のセルを備えたタンデムに置き換えた場合、発電量を20%以上増加させ、発電所の所要面積と二酸化炭素の影響を約20%削減できると期待されている。

[DW編集局]