（2025年2月13日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり）

本日、トランプ大統領は、米国を公式訪問中のモディ・インド首相と米印共同首脳声明を発出した。両者は、自由、法の支配、人権、多元主義を重視する民主主義国家の指導者として、米印包括的グローバル戦略パートナーシップの強さを再確認した。

また、協力の主要な柱にまたがる変革的な変化を推進するため、新たなイニシアチブである「21世紀のための米印COMPACT（軍事パートナーシップ、加速する通商・技術のための触媒的機会）“U.S.-India COMPACT (Catalyzing Opportunities for Military Partnership, Accelerated Commerce & Technology) for the 21st Century”」を発足させた。なお、本イニシアチブで合意された事項のうち、エネルギー安全保障、技術とイノベーション、人的交流関連事項には以下のようなものがある。

【エネルギー安全保障】
▽両首脳は、エネルギー安全保障が両国の経済成長、社会福祉、技術革新の基本であることに合意した。
▽両首脳は、危機時における経済的安定を維持するための戦略的石油備蓄の価値を強調し、戦略的石油備蓄協定を拡大するために主要なパートナーと協力することを決議し、米国はインドが国際エネルギー機関（IEA）に正会員加盟することへの支持を確認した。
▽両首脳は、米国をインドへの原油、石油製品、液化天然ガスの主要な供給国として確立するというコミットメントを再確認した。
▽両首脳は、大規模な現地化と可能な技術移転を通じて、米国が設計した原子炉をインドに建設するために協力する計画を前進させることにより、米印123民間原子力協定（U.S.-India 123 Civil Nuclear Agreement）を実現することを発表した。

【技術とイノベーション】
▽両首脳は、米印TRUST（Transforming the Relationship Utilizing Strategic Technology　「戦略的技術を活用した関係の変革」）イニシアチブの立ち上げを発表した。
▽TRUST イニシアチブの中核として、両首脳は米印の民間産業界と協力し、年末までにAIインフラの加速に関する米印ロードマップを発表することを約束した。
▽両首脳は、米印の産学パートナーシップを促進し、宇宙、エネルギー、その他の新興技術への投資を促進する「INDUSイノベーション」の立ち上げを発表した。
▽両首脳は、TRUSTイニシアチブの一環として、半導体、重要鉱物、先端材料、医薬品を含む、信頼性があり強靭なサプライチェーンを構築することを約束した。
▽両首脳は、新興技術と先進製造に対する重要鉱物の戦略的重要性を認識し、米印が加盟する鉱物安全保障パートナーシップを通じて、投資を促進する。
▽両首脳は、コネクティビティ、先進宇宙飛行、衛星・宇宙打上げシステム、宇宙旅行、先進宇宙製造など、従来の分野と新たな分野における産業界の関与を通じて、商業宇宙協力をさらに進めることを約束した。
▽両首脳は、米国国立科学財団（NSF）とインドのアヌサンダン国立研究財団との間で、重要かつ新たな技術の研究における新たなパートナーシップを発表した。
▽両首脳は、両国が輸出規制に対処し、ハイテク通商を強化し、技術安全保障に対処しつつ、両国間の技術移転の障壁を低減するための努力を倍増させる。

【多国間協力と人的交流】
▽両首脳は、米国とインドの緊密なパートナーシップが、自由で開かれた平和で繁栄するインド太平洋地域の中心であることを再確認した。
▽インドで開催予定のクアッド首脳会議に先立ち、両首脳は、空輸能力の共有や海上パトロールに関するクアッドの新たなイニシアチブを活性化させる。
▽両首脳は、中東のパートナーとの具体的な協力関係を強化することを決議した。
▽両首脳は、広大なインド洋地域全体で二国間の対話と協力を深めるため、二国間の政府全体のフォーラムであるインド洋戦略ベンチャーを立ち上げた。
▽両首脳は、西インド洋、中東、インド太平洋において、新たな多国間パートナーシップを構築する必要性を認識し、2025年秋までに、これらのサブリージョンにおける新たなパートナーシップ構想を発表する予定である。
▽両首脳は、イノベーションの促進、学習成果の向上、将来を見据えた労働力の育成における国際的な学術協力の重要性を認識し、共同学位プログラムや共同センター・オブ・エクセレンスの設立、米国の一流教育機関のインドにおけるオフショア・キャンパスの設置などの取組みを通じて、高等教育機関間の協力を強化する。

[DW編集局]