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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 科学・イノベーション・技術省(DSIT)
- 元記事公開日:
- 2025/02/11
- 抄訳記事公開日:
- 2025/03/18
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2035年スマートマシン戦略
- 本文:
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(2025年2月11日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)発表の概要は以下のとおり)
ロボティクス成長パートナーシップ(RGP)は、英国政府によって任命された独立専門委員会である。産業界と学界の代表者を結集して英国政府に助言と洞察を提供しており、このたびインディペンデント・レポート『2035年スマートマシン戦略』を発表した。
同報告書は、英国をロボット工学とスマートマシンの世界的リーダーとして位置づけるための大胆なロードマップを提供している。この10年計画は、研究、イノベーション、起業における英国の強みを基盤とし、2035年までにスマートマシンの潜在能力を最大限に引き出すための戦略目標と実行可能な措置を示すものである。
2035年までに、スマートマシン(人間と物理的世界にシームレスに統合されるインテリジェント半自律システム)が、英国経済の様々な分野に革命を起こす可能性がある。高齢者の支援や自然生態系の保護から防衛能力の向上や公共インフラのサポートまで、スマートマシンは産業界全体で不可欠なものになる。スマートマシンの進化は、技術の進歩だけでなく、責任と倫理を持ってそれらを社会に統合するための一貫した施策にも左右される。■ 戦略目標
主要目標① 需要:技術の採用と普及の促進
多様な分野にわたる公共サービス、国家インフラ、英国企業によるスマートマシン技術の導入を促進し、経済、社会、国家安全保障の生産性、競争力、強靭性、持続可能性において利益をもたらす。また、社会で信頼され受け入れられるスマートマシンのイノベーションと倫理的な使用を支援する規制枠組みも構築する。
主要目標② 供給:イノベーションと企業のエコシステムの展開
過去10年間にわたる英国のスマートマシン・エコシステム展開の進捗を基に、より迅速な促進を可能にする。英国を、様々な地域やセクターで新しく活気あるスマートマシン企業・ソリューションを創出する国にし、投資家や世界中の人材が集まるにふさわしい場にする。英国をスマートマシンにおいて世界をリードする科学・工学の本拠地とし、雇用と経済を支える英国の知識とスキルを向上させる。■ 戦略的施策
本戦略では、スマートマシンの開発と展開に関する需要と供給のプロセスを循環的な成長に向けた手立てとして捉え、10項目の提言が示されている。
(需要側)
1. 政府内にスマートマシン・オフィス(OSM)を設置し、公共調達、業界共同プロジェクト、財政的インセンティブを通じて需要側を刺激する。
2. 地域のスマートマシン移転ハブを拡張・再生する。
3. OSMと地域のスマートマシン移転ハブを、政府による五つのミッションや成長戦略政府案で示された8セクターにおける機会創出へと方向づける。
4. スマートマシン用のカイトマーク(英国規格協会の認証取得を示すマーク)を確立するために、英国RAS(ロボット技術・自律システム)規制・規準・倫理委員会の活動を支援する。
5. OSMの業務がロボティクス分野におけるARIA専門委員会の成果に基づくように位置づける。
(供給側)
1. 地域でオープンソフトウェアやハードウェア・ツールのコミュニティ展開を立ち上げて管理するための中核拠点(Centre of Excellence)を設立する。
2. スマートマシン移転ハブに、リビングラボ利用による、ビジネス育成やトレーイングのための場所を提供して支援する。
3. 1億ポンドのスマートマシン・ベンチャー投資基金を設立する。
4. 政府のファンディング機関全体にわたって、トップダウン方式で、10年間のスマートマシン研究・イノベーション・プログラムを計画し開始することにより、高度な技術を持つ人材と革新的なアイデアの供給に取り組む。
5. 高等教育・継続教育・学校教育セクター全体にわたり、国家的なスキル維持・発展プログラムを創成する。 [DW編集局]