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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ科学寄付者連盟、フォルクスワーゲン財団、ドイツ国家アカデミー(Leopoldina)
- 元記事公開日:
- 2025/01/30
- 抄訳記事公開日:
- 2025/03/18
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次期連邦政府の優先課題について科学、経済、政策関係者が討論
- 本文:
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(2025年1月30日付、ドイツ科学寄付者連盟、フォルクスワーゲン財団、ドイツ国家アカデミー(Leopoldina)の標記共同発表の概要は以下のとおり)
ベルリンで開催された2025年総選挙に向けたイノベーションフォーラムにおいて、次期政権がどのようなイノベーション政策を取るべきかについて、科学、経済、政治の代表者による議論が行われた。研究とイノベーションをテーマとした意見交換のためのフォーラムは、ドイツ科学寄付者連盟、ドイツ国家科学アカデミー・レオポルディーナ、フォルクスワーゲン財団の主催により開催された。
「拠点としてのドイツ:研究とイノベーションによる未来」をモットーに同フォーラムでは、各政党が未来に向けたテーマについてどのように考え、いかなる構想を有しているかを提示し、経済界、科学界からの提案を受け入れる機会を提供した。
キリスト教民主同盟(CDU)・キリスト教社会同盟(CSU)の研究政策担当のヤルツォムベク(Thomas Jarzombek)連邦議会議員、社会民主党(SPD)の教育および研究政策担当のカツマレク(Oliver Kaczmarek)議員、同盟90/緑の党のブラントナー(Franziska Brantner)議員、自由民主党(FDP)のデュル(Christian Dürr)議員らが参加し、次の4年間で、研究とイノベーションを通じてドイツの競争力を高めるためにいかなる変革を計画しているかについて回答した。また、経済界、科学界のリーダーは、政治に何を期待しているかを語り、一方政治は経済界、科学界に何を期待しているか、について討論した。
「ドイツのイノベーション・エンジンは停滞している。産業国家間での国際的な競争力を維持していくためには、経済的に重要な、大規模なイノベーションに頼るほかない。そのためには、科学界と経済界の協力、官僚制の障壁の打破、科学界と経済界から提案される解決策を実現しようという政治の勇気と開かれた仕組みが必要である」とドイツ科学寄付者連盟のカシュケ(Michael Kaschke)会長は語る。
レオポルディーナのハウグ(Gerald Haug)会長は、「これまでドイツでは手厚く扱われてきた基盤的研究の立場からみると、次期連邦政府の本質的課題は、研究機関の自主性を拡大すること、経済や社会への知識の移転のために規制の簡素化を図ることにある。法律、規制、報告などの義務がどんどん増えていることが研究者に多大な負担を強いている。すべての利害関係者が研究とイノベーションの重要な課題に再び集中することが求められている」と話している。
[DW編集局]